「育児が苦手」を認めた私。産後の“暗黒期”を経て、家族にできること【作者インタビュー】
公開日:2024/7/8
日常の何気ない風景のなかにも喜びや驚き、発見がある。『アラフォーまきこのごゆるり家事』は、家事や育児など日々の暮らしを漫画にしたコミックエッセイだ。著者は、日雇いの仕事をしながらX(旧Twitter)やInstagramなどで漫画を発信する柿ノ種まきこさん(@kakinotane_m)。読む人をやさしい気持ちにさせる、オフビートでゆるい空気感で人気を呼んでいる。
第16話となる今回は産後の話。想像以上に壮絶な日々だったそうで――。
「産前は、子育てをする具体的なイメージが湧かなかった」と振り返る柿ノ種さん。何が大変なのか、どういうスケジュールで動くのかがわからず、産後も在宅なら仕事を続けられるのではと思っていたそう。
出産で受けるダメージは交通事故に例えられることもある上に、退院後は体力が十分に回復しないうちから育児に追われる日々が始まる。
「まず基礎体力がなさすぎました。学生時代はオール文化部で運動習慣もない。そんな私が産後の体で3キロの赤ちゃんを、1日の大半抱っこをして、血液から作られる母乳を放出し続け、細切れの睡眠しかできず、それに加えて頻回のオムツ処理や沐浴も行う…。出産だけでなく、産後もこんなにもエネルギーがいるとは予想外でした」
産後は夫のサトルさんをはじめ、義母や実母からのサポートがあったからこそ乗り越えられたという。
「近くに住んでいる義母は、夕飯のおかずを毎日届けてくれたり沐浴をしに来てくれたり、本当に助かりました。実母は少し離れた場所に住んでいますが、毎週のように来て、買い物や家事をしてくれました。サトルさんもミルク作り(母乳とミルクの両方を飲ませていました)やオムツ替えは日常的にしています」
産前は、安産になるというお灸や、母乳にいいという高価なハーブティー、会陰クリーム、臨月には階段の昇降も行っていた。出産に向けて備えてはいたものの、分娩は2日がかりで、会陰切開、吸引分娩を行った。さらに母乳も思うように出るまでは時間がかかり、3度の乳腺炎に苦しんだ。
「いろいろと準備をしても、産んでみないとわからないことばかり。なので、不安でしょうけど思い切って『何もしない!』というのもいいと思います。私の場合は、何かしても『あれだけ頑張ったのに…』と落ち込むことになりました。あ、でも安定期になったら、自分が心地よい範囲の腕や足の筋トレをすることはおすすめです」
産後の日々や家族への想いを語ってくれた柿ノ種さん。今後もどんな日常を見せてくれるのか楽しみだ。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■柿ノ種まきこ
Instagram:@kakinotane_makiko
X(旧Twitter):@kakinotane_m