次々出てくる悩みを根本的に解決!自分の心を知る「インド哲学」で“悩まない習慣”を

文芸・カルチャー

PR 公開日:2024/6/27

インド哲学式
インド哲学式 悩まない習慣』(大塚和彦/新星出版社)

 お金、仕事、人間関係など生きる中では悩みが尽きない。次々出てくる悩みごとで頭がいっぱいになり、心と体が硬直することもある。『インド哲学式 悩まない習慣』(大塚和彦/新星出版社)はそんな日に役立つ、お守りのような一冊だ。

 本書に綴られているのは、尽きることのない悩みの根本的な解決法。著者は、人の心を分析する「インド哲学」を用いて、悩みの本質を理解し、生きやすい日々を送る方法を紹介している。

 目先の悩みをテクニックや技術で解消しようとするのではなく、インド聖典に記されている知識を用いて、悩みが次々と芽生えるメカニズムを根本から解決するのが、インド哲学の特徴だ。

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 インド哲学は、古代インドで生まれた哲学体系。「自分とは何か」を追求し、“私の心”を知る哲学である。

 自分のことは自分が一番よく分かっていると、私たちは思いやすい。だが、実は自分が思っている以上に、自分を知らない。例えば、時折、怒りや嫉妬などネガティブな感情が溢れだすと、心がぐちゃぐちゃになり、自分がよく分からなくなってしまう。

 著者いわく、こうした状況下でこそ、悩みは育っていくそう。そこで、自分の内側と深く向き合うインド哲学を用いて、「自分を知る」という知識を手に入れ、悩みを根本から解決しようと著者は訴える。

 インド哲学では、人を悩みに駆り立てる感情や欲望を「六つの敵」という言葉で表す。

・六つの敵
1.幸せになりたいことから芽生える「もっともっと」という欲望
2.怒り(クローダ)…思い通りにならない時に起きる感情
3.貪欲(ローバ)…欲望がより激しくなった状態。食べ物、お金、名誉などの対象物を飽くことなく求めたがる感情
4.執着(モーハ)…心が対象物にとらわれ、そこから離れられない感情
5.傲慢(マダ)…おごり高ぶって他人をあなどり、見下す感情
6.嫉妬(マーチャリヤ)…他人をうらやみ、ねたむ感情。同じような境遇にある人に対して起こりやすい

 悩みの渦中にいる時、「六つの敵」は相互に影響しながら心の中を駆け巡り、人をがんじがらめにするそう。振り回されないためにはまず、「欲望」との向き合い方を考えていくことが大切なのだとか。

 なぜなら、欲望は「六つの敵」のうち、一番のリーダー格であるからなのだそう。著者によれば、怒りや貪欲、執着などというネガティブな感情は欲望が過剰になり、コントロールできなくなることで生まれるという。

 欲望とうまく付き合うためには、この世には欲望を刺激するものが溢れており、自分の欲望をコントロールするのは難しいのだと理解することが大切。その上で、心を整える「ヨーガ」を日常に取り入れていこう。

 インド伝統のヨーガは、ダイエットやエクササイズが目的であることが多い日本のヨガとは少し趣が異なる。毎日の暮らしを通して、自分の心を適切な状態へと近づけていく智慧(ちえ)なのだ。

 本書では、「抱え込みすぎない」や「与えられたことに満足する」など、日常の中で意識したいヨーガの教えを10個紹介。自分ができることから意識してほしいと著者は話す。

 なお、本書では「考えても解決しない悩み」との向き合い方も紹介。必要以上に自分を責めることがなくなる悩みの受け止め方を、ぜひ知ってほしい。

 また、著者が教える、日常の中に潜む「不完全な人間関係」の見極め方や対処法も役立つ。「誰とでも仲良くすべき」という苦しい価値観を捨てられるインド哲学式処世術は必見だ。

 自分の心を知るとは、こういうことだったのか…。本書を手に取ると、そんな気づきが得られ、悩みに繋がりやすい感情の受け止め方が変わったり、気持ちの切り替えがしやすくなったりする。誰とでもうまくやらなくてもいい、ありのままの自分で、なにげない日常を大切にしていけばいい。そんな当たり前だけれど、生きる上で忘れてしまう幸せの価値を、インド哲学は思い出させてもくれる。

 人が人であることの意味を肯定し、生きる支えになってくれるインド哲学。ぜひ、多くの人に触れてほしい。

文=古川諭香

◆新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
https://fun-life-shinsei.com/

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