過酷な労働環境で心身が崩壊寸前。「逃げなかった」後悔【作者インタビュー】
更新日:2024/7/10
働き方改革関連法が2019年から順次施行され、さまざまな業界で働きやすい環境づくりが進んでいる。しかし社風が古かったり、人手不足だったりとさまざまな理由で根深く残っているのが、残業にまつわる問題だ。
漫画『残業地獄のねこが転職するまでの120日間の記録』の作者あおいしさん(@ao144444)も当事者のひとり。長時間労働の地獄から脱出しようと奮闘した自身の体験を描いた同作を、あおいしさんのインタビューとともに紹介する。第7話では、ろくに食事をとらなくなった主人公・ねこくんが、次第に心と体のバランスを崩していく。
不調を感じたらためらわずに「休む」勇気を!
作中では部長に向かって「大丈夫」と言ったねこくん。だが「『大丈夫』と呪文のように言い聞かせることで、大丈夫なふりをしていました」とあおいしさんは当時を振り返る。誰かに相談するということも思いつかず、持ちこたえようと必死だった。
さまざまな不調が出てきて「追い込まれている」という感覚はあった。読書好きだったのに、本を読めなくなったときは、驚きとショックが特に大きかったそう。
「今までは、つらいことがあると本を読んで癒やされていました。だから本が読めなくなったことは一大事でした。そのとき、自分が精神的にまずい状態なのだとようやく感じました」
あおいしさんが、当時の自分と同じような境遇にいる人に伝えたいことは?
「体や精神の不調が出たときは、一刻も早く休んだ方がいい」ということ。「私は『休む』ことが怖くてできませんでした。当時はたくさん有給があったので、思いきって休職すればよかったと後悔しています。少しの勇気があれば、『休む』ことも『逃げる』こともできると思います」
心も体もむしばまれるねこくんが、今の環境から抜け出すことはできるのか。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
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■あおいし
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