うつ病で休職。家で寝てばかりだった私が昼の世界を歩いて感じたこと【作者インタビュー】
公開日:2024/7/10
SNSでメンタルをテーマに、イラストと言葉を発信するなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。合わない職場環境が原因で、過去にうつ病と適応障害を発症したことがある。当時は休職することは「逃げ」だと思い、情けなさや恥ずかしさを感じていたという。だが「休職中に弱い自分を変えたい」と一念発起。病気から、会社から、日本からも全力で逃げたなおにゃんさんが気づいたこととは?
そんな実体験を基に描いたコミックエッセイ『うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~』が同じような悩みを持つ人からの共感を得ている。第8話では、2度目の休職に入り、ひたすら眠るという生活を送っていたなおにゃんさん。ある日、電気を止められてしまい、仕方なく閉め切っていたカーテンを開けると、外はすっかり春の陽気だった。なおにゃんさんに当時のことを聞いた。
「楽しい」と感じたことがうれしい
――今回はうさぎ(なおにゃんさん)の顔が、以前よりもげっそりとしていましたね。
うつ病になってから、すべての気力が失せて、食べる気力もなくなったので、めちゃくちゃ痩せました。寝返りを打つたびに背骨がベッドに当たって痛むくらいです。でも、抗うつ剤を服用することで、食欲が増して体重が増加する方もいるようなので、人それぞれなんだと思います。
――春の日差しのなかで、楽しそうに歩いているシーンが印象的でした。
休職中は生活が昼夜逆転してしまい、外出は夜中にコンビニに行くときだけでした。でも必要に迫られて昼間に外出すると、温かくてにぎやかな昼の世界を楽しいと感じました。「楽しい」と思えたことが、何よりもうれしかったです。自分の場合は、特に冬にうつ病がひどくなる「冬季うつ」の体質もあったので、ポカポカとした春らしさを感じて、うれしくなったのかもしれません。単純にあったかいってうれしいですし、春になったことでうつ病も少し和らいだのかな?と思います。
休職中の人や、休職を考えている人に向けて、自分の経験が少しでも役に立てばと描き始めたなおにゃんさん。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■なおにゃん
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