「さよなら僕の腐った人生」歩道橋から身を乗り出し…引き留めたものは?【作者インタビュー】
公開日:2024/7/17
働き方改革関連法が2019年から順次施行され、さまざまな業界で働きやすい環境づくりが進んでいる。しかし社風が古かったり、人手不足だったりとさまざまな理由で根深く残っているのが、残業にまつわる問題だ。
漫画『残業地獄のねこが転職するまでの120日間の記録』の作者あおいしさん(@ao144444)も当事者のひとり。長時間労働の地獄から脱出しようと奮闘した自身の体験を描いた同作を、あおいしさんのインタビューとともに紹介する。第16話では、退職することが社内に広まって居づらさを感じるなか、さらなる追い打ちが――。
精神的に追い込まれ「消えたい」という思いが…
上司から退職日を2カ月延ばすことを打診されたねこくん。当時を振り返り、あおいしさんはつらかった心境を語ってくれた。
「退職を延ばしてほしいという打診は覚悟していましたが、2カ月もというのが想定外でした。一番初めの段階で、転職先の入社日を伝え、その上で退職日を決めていたので、まさか決めた後になって2カ月も延ばす打診があるとは思いもよらず、かなり戸惑いました。加えて、退職を延ばしてほしいという雰囲気は同僚からも感じていたので、その要求に応えられないという申し訳なさがありました。とても居心地が悪く、早く退職したいという気持ちが、日を増すごとに強くなっていったのを覚えています」
そんな日々が続いて「もういっそ消えてしまいたい」と思ってしまう。歩道橋から身を乗り出して頭に浮かんだのは、賞味期限が迫った大きなティラミスだった。精神的ストレスが原因で食欲がなくなってしまった経験のあるあおいしさんは、自分の食欲を感じたことで「まだ大丈夫だ」と安心できたという。自宅に帰ってティラミスを食べると、味もはっきり感じられた
「ティラミスの甘さで気持ちが落ち着いて、冷静になることができました。つらいときはいつも、おいしい食べ物に救われています」
「やっぱりちゃんと生きて辞めよう」と決意したねこくんが、退職するためにとった行動とは?本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
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■あおいし
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