これが自己肯定感ってやつ?うつで休職中「ホメ療法」を始めた結果…【作者インタビュー】
公開日:2024/7/12
SNSでメンタルをテーマに、イラストと言葉を発信するなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。合わない職場環境が原因で、過去にうつ病と適応障害を発症したことがある。当時は休職することは「逃げ」だと思い、情けなさや恥ずかしさを感じていたという。だが「休職中に弱い自分を変えたい」と一念発起。病気から、会社から、日本からも全力で逃げたなおにゃんさんが気づいたこととは?
そんな実体験を基に描いたコミックエッセイ『うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~』が同じような悩みを持つ人からの共感を得ている。第10話はネットで見かけて始めた「ホメ療法」について。できたことやよかったことを毎日書き出していると、ある変化に気づく。なおにゃんさんに「ホメ療法」について聞いた。
つまらないと思っていた日常が変化
――働いている人たちを見て「後ろめたさ」を感じるシーンがあり、なおにゃんさんはとても真面目な人なのだと感じました。
たしかに、昔から真面目と言われることが多いかもしれません。プライベートでは、どちらかといえばだらしなくて不真面目なのですが、根っこが真面目なのでしょうか。「〇〇でないといけない」「もっと〇〇しなくちゃ」と、自分自身を追い詰めてしまうところがあり、もう少しいい加減になりたい、と思うときもあります(笑)
――「ホメ療法」のポイントは?
立派なことでなくても、とにかくみっつ書くことです。私の場合は、本当に些細なことを書いていました。例えば「コーヒーがおいしかった」「洗濯ができた」「バラエティー番組を見て笑った」など。できたことだけではなく、自分が楽しめたことや、いいなと感じたことを書くと、つまらないと思っていた日常も、案外いいものだと思えるようになりました。うつ病の方だけでなく、自己肯定感が低めの方にもいいと思います。
――「ホメ療法」は今でも続けていますか?
うつ病が酷かったときに比べると回数は減りましたが、なるべく続けたいと思っています。ノートに書くのが億劫なときは、スマホのカレンダーに記入します。寝る前に記入すると楽しかったことを思い出して眠りにつき、前向きな気持ちで朝を迎えられるのでおすすめです。
最初の休職期間は、焦ってしまいうまく休むことができなかったなおにゃんさん。だが、2度目の休職では、少しずつ心身が健やかになっていくのを実感しているようだ。なおにゃんさんが、休職中の人や、休職を考えている人に向けて、自分の経験が少しでも役に立てばと描き始めた本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■なおにゃん
X(旧Twitter):@naonyan_naonyan
Instagram:@naonyan.naonyan