「逃げるって何?」うつ病で2度の休職、全力で逃げた先で見つけた答え【作者インタビュー】
公開日:2024/7/16
SNSでメンタルをテーマに、イラストと言葉を発信するなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。合わない職場環境が原因で、過去にうつ病と適応障害を発症したことがある。当時は休職することは「逃げ」だと思い、情けなさや恥ずかしさを感じていたという。だが「休職中に弱い自分を変えたい」と一念発起。病気から、会社から、日本からも全力で逃げたなおにゃんさんが気づいたこととは?
そんな実体験を基に描いたコミックエッセイ『うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~』が同じような悩みを持つ人からの共感を得ている。第14話は、休職中に訪れたベトナムでのエピソード。旅も後半となり、これまでの出来事を振り返ってみたとき、「逃げる」ことについて思いを馳せたなおにゃんさん。当時のことを聞いた。
うつ病が固執した考えを見直すきっかけに
――休職するときに「逃げるようで恥ずかしい」と感じていた背景には、子どものころにかけられていた言葉があったのですね。
両親はとても真面目で教育熱心な人で、私は根性論のようなものをすごく聞かされて育ちました。だからこそ、頑張らなかったり、逃げたりする自分はすごくダメなのだと自分を追い詰めて、責めてしまったりしたことも。でも、うつ病になってからは、逃げないことだけが「正しさ」ではないと思うようになりました。今までの固執していた考えを見直す、いいきっかけになったと思います。
――逃げることは単なる方向転換に過ぎない、ちゃんと前に進んでいる、と考えるシーンが印象的でした。
いつかこのことを、何らかの形で描くだろうなと思っていました。およそ10年前の出来事ですが、当時考えたことをそのまま思い出して描きました。でも、サイゴン川の写真をあまり撮っていなくて、漫画を描く上で資料不足だったのが個人的に悔やまれます(笑)
休職中の人や、休職を考えている人に向けて、自分の経験が少しでも役に立てばと描き始めたなおにゃんさん。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■なおにゃん
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