うつ病を発症、2度の休職を経てついに退職。それでも「まあいっか」と思えたワケ【作者インタビュー】
公開日:2024/7/21
SNSでメンタルをテーマに、イラストと言葉を発信するなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。合わない職場環境が原因で、過去にうつ病と適応障害を発症したことがある。当時は休職することは「逃げ」だと思い、情けなさや恥ずかしさを感じていたという。だが「休職中に弱い自分を変えたい」と一念発起。病気から、会社から、日本からも全力で逃げたなおにゃんさんが気づいたこととは?
そんな実体験を基に描いたコミックエッセイ『うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~』が同じような悩みを持つ人からの共感を得ている。第19話では、ついに会社に退職届を出しに行く。誰ともあいさつしないまま退職してしまったことは後悔していると話すなおにゃんさんだったが、それでも「絵本作家になる」という夢がなおにゃんさんを支えたという。なおにゃんさんに創作でのこだわりを聞いた。
「下手でも伝わる」を意識
――ついに退職日を迎えました。
漫画ではあっさりと描きましたが、実はいろんな感情がありました…!一番はやっぱり「めちゃくちゃ恥ずかしい」という気持ちです。ずっと休職していたのに、退職日に突然出社したことが本当に気まずくて…。みんなから腫れ物扱いされているように感じて、この場から早く消え去りたいと思いました。誰にもあいさつできずに退職してしまったことは、すごく申し訳なかったし、今でも後悔しています。でも、そのときの自分はそれで精いっぱいだったし、仕方がなかったとも思います。
――絵の描き方はどのように学びましたか?
自分の場合は、いわゆる芸術的なすごい絵は描けないので、下手でもいいから相手に「伝わる絵」を意識しました。お子さん向けの絵本なので、芸術的な絵を描く必要はないし、「りんご」が「りんご」だとわかるなら問題はないかなと。小難しさを排除して、太い黒の線でわかりやすく囲って、はっきりとした色を塗るという、原始的な絵を描こうと思いました。伝わればオールオッケーですし、逆に「伝える」ことが一番難しい。今も伝えようという気持ちで、一生懸命絵を描いています。
――2014年には念願の絵本を出版されました。見本を初めて手にしたときの気持ちを教えてください。
とてもうれしかったです。表紙がピンク色のパフェの絵本で、すごくかわいくて部屋に飾りたい気持ちになりました。
ついに自らの手で夢を叶えたなおにゃんさん。そんな彼女が今思うこととは何なのだろうか。本作をまとめた書籍も発売中なので、気になる人はチェックしてみよう。
■なおにゃん
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