うつ病を発症、会社を辞めて絵本作家に。休職したから「今がある」【作者インタビュー】
公開日:2024/7/22
SNSでメンタルをテーマに、イラストと言葉を発信するなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)。合わない職場環境が原因で、過去にうつ病と適応障害を発症したことがある。当時は休職することは「逃げ」だと思い、情けなさや恥ずかしさを感じていたという。だが「休職中に弱い自分を変えたい」と一念発起。病気から、会社から、日本からも全力で逃げたなおにゃんさんが気づいたこととは?
そんな実体験を基に描いたコミックエッセイ『うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~』が同じような悩みを持つ人からの共感を得ている。最終話の今回は、なおにゃんさんの現在について。本作を描ききった思いも聞いた。
「休職って悪いことじゃない」と伝えたい
――ついに最終回です。今の気持ちは?
すごく楽しかったです。実は、漫画のオチは特に決めず、気持ちのままに描いていたので、どこに着地するのかもわかりませんでした。でもそのおかげで、自分のなかで毎回新しい発見がありました。昇華したいけど、ずっとできなかった過去を描くことで、初めて客観的になることができ、前に進めるような気がしました。この漫画は仕事でもありますが、自分の人生にとってすごく必要な時間だったと思います。こういった機会を与えてくださり、ありがとうございました。今回の漫画は、自分のために描いているという気持ちが強かったのですが、自分のことを掘り下げて描くと、結果的に人にも共感してもらえるんだと感じ、すごくいい経験になりました。恥ずかしい自分の過去の話にお付き合いいただき、大感謝です。
――この漫画で伝えたかったこと、そして読者へのメッセージをお願いします。
自分がうつで休職したとき、休むことを肯定してくれたり、ましてや休職を肯定してくれたりする話はほとんどありませんでした。好きで休職しているわけじゃないのに、毎日すごく後ろめたい気持ちでした。でも私は「休職してよかった」と思っています。もし、あのときの自分のように、休職することを悩んだり、休職したことに後ろめたさを感じている人がいるなら「休職って悪いことじゃないよ、休むのはいいことだよ」と伝えたくて、自分の経験を描くことにしました。いろいろな意見があると思いますが、たとえひとりだけにでも伝わるとうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
なおにゃんさんの体験を通じて、「休んでいい」「逃げていい」とうメッセージが詰まった本作は書籍化もされている。現状がつらいと感じる人にとって、なおにゃんさんの真摯な思いが共感を読んでいるのだろう。
■なおにゃん
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