2024年7月5日（金）、画家・ヒグチユウコ氏とグラフィックデザイナー・大島依提亜氏による共著『映画とポスターのお話』が発売された。“映画好き”という共通項を持った2人が、同書でどんな化学反応を見せてくれるのだろうか。

　ヒグチ氏は細密なタッチが持ち味で、絵本『せかいいちのねこ』に代表されるように、猫をモチーフとした作品を中心に発表している。一方の大島氏は世界の名だたる作品のポスターやパンフレットを担当してきた実績を持つ人物で、ヒグチ氏とは2019年に公開されたサイコロジカルホラー映画『ミッドサマー』の日本版アートポスターでコラボレーションを果たしている。

　今回リリースされる『映画とポスターのお話』では、そんなヒグチ氏と大島氏がさまざまな名作映画の魅力を語り尽くす。さらにヒグチ氏の絵と大島氏のデザインが融合した各作品のポスター40点余りが収録されており、まるで画集のような仕上がりに。

　同書で取り上げられる映画は『ミッドサマー』を始め、1986年のジム・ジャームッシュによる自主制作映画『ダウン・バイ・ロー』、宮崎駿氏の『風の谷のナウシカ』、是枝裕和氏の『誰も知らない』、フェデリコ・フェリーニの『悪魔の首飾り』、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』など。古今東西の名作を、それぞれ対談形式で語っていく。

　ちなみに今回の企画が立ち上がるきっかけとなったのは、月刊『MOE』で連載されていた「映画のはなし」という2人の対談企画。お題の映画について語り合いつつヒグチ氏がイラストを描き、それを大島氏がデザインするという形で、さまざまなポスターがお披露目されてきた。

　それらを編集して書籍化し、さらに大判サイズでオールカラー化したのが『映画とポスターのお話』だ。カバーイラストには2人が手掛けた『ミッドサマー』のアートポスターが採用されているが、こちらは映画公開当時、メガホンを取ったアリ・アスターを始め世界中の関係者やファンから大きな称賛を浴びていた代物である。

　国内のみならず他国のSNSでもトレンド入りを果たし、このアートポスターは本国でも発売されることになった。ちなみに現地では即完売になってしまったらしく、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのフロド・バギンズ役などで知られるイライジャ・ウッドが、自身のX（旧Twitter）で買い逃しを報告していたのは今でも語り草だ。

　ヒグチ氏と大島氏による珠玉のポスターはもちろんのこと、映画ファンなら誰もが共感できるような濃い内容の対談も楽しめる『映画とポスターのお話』。

　なお2024年7月7日（日）から7月21日（日）にかけて、刊行を記念したギャラリー展示「ヒグチユウコ×大島依提亜『映画とポスターのお話』のおはなし」が「二子玉川 蔦屋家電」で開催される。さらにヒグチ氏が立ち上げたギャラリー兼ショップ「ボリス雑貨店」でも複製ポスターの展示が行われる予定なのでぜひチェックしてみてほしい。

■「ヒグチユウコ×大島依提亜『映画とポスターのお話』のおはなし」概要
会期：2024年7月7日（日）～7月21日（日）
開場時間：10:00～20:00
会場：二子玉川 蔦屋家電 2階 ギャラリー2
参加費：無料
参加方法：会場に直接お越しください
主催：二子玉川 蔦屋家電
協力：白泉社、ボリス雑貨店
問い合わせ先：TEL:03-5491-8550（二子玉川 蔦屋家電 BOOK）

くわしくはこちら
https://store.tsite.jp/futakotamagawa/event/art/41020-1624590614.html

※7月7日（日）より、白泉社刊行のヒグチユウコ作品には「特製ポストカード」が封入されています。特典は数に限りがございます。