コミュ力・人脈・ノリで解決! 探偵志望の男子高校生×有能ギャルで、事件解決を目指すミステリ漫画
PR 公開日:2024/7/4
「名探偵」に求められるスキルと聞かれたら、観察力、分析力、思考能力あたりが、すぐに思い浮かぶ。しかし、「令和の名探偵」を名乗る場合、さらに身に付けなければならないものがあった。それはコミュ力と人脈、そしてノリ。
『犯人クン、何してんの?―探偵・鬼灯アロの事件簿―』(稲岡和佐/白泉社)は、「うちの推理イケてるっしょ!」という、ギャルマインドで事件を解決する、異色のミステリ漫画だ。
名探偵だけど、進んで助手を名乗り出る優しいギャル
主人公は、赤岩五月。17歳にして数々の難事件を解決してきた迷宮知らずの名探偵……と頭の中で妄想している、ちょっと痛い高校生。ただ、生粋のミステリ好きであることは間違いなく、これまで読んだミステリ小説は述べ2,551冊。「もはや名探偵といって差し支えない」というのが本人談。
そんな赤岩は、探偵事務所の開業資金を貯めるため、コンビニでアルバイトをしている。そこで出会ったのが、見た目も中身も完全なギャル・鬼灯アロ。出会った相手は即あだ名呼び、一般の女子高生にもかかわらず、SNSフォロワーは30万人以上と、いろいろとぶっ飛んでいる。自分とは正反対の存在であるアロに、激しく苦手意識を持つ赤岩。できる限り関わらずにいようと思った矢先、二人して、とある殺人事件に巻き込まれてしまうのだった。
はじめて遭遇するリアルな事件にやる気満々の赤岩だったが、ミステリ小説で鍛えた推理はあえなく空振り。探偵としてのスキルを発揮することなく終わる。一方アロは、コミュ力と人脈、そしてギャルにしかわからない知識を使って、あっという間に“犯人クン”にたどり着き、事件を解決。アロはただのぶっ飛びギャルではなく、とんでもない名探偵のポテンシャルを持つギャルだったのだ。
「あれ? そうすると赤岩の存在意義は?」と、疑問に思うだろう。安心してほしい。赤岩を立てるため、アロは進んで助手ポジションに収まる。気遣いのできる優しいギャルなのだ。
そんなわけで、この事件をきっかけに、アロは勝手に「アロ岩探偵事務所」のSNSアカウントを開設。二人の探偵ライフが始まるのだった。
ミステリ定番の設定も、ギャルが関わると新しい事件に
ミステリで定番の「離島の別荘」を舞台にした事件も、ギャルが関わると一味違う。まず、離島に行く理由が、恋愛リアリティ番組に出演するため。アロはTVプロデューサーにも友達がいるのだ。キラキラした出演者たちの中で、一人浮きまくる赤岩。完全アウェイな状態の赤岩が、どうやって事件を解決するのかが見どころだ。
2巻は、まるまる1冊使ったロングパート。SNSのDM経由で依頼を受けた二人は、とある山間の村へとやって来る。依頼主は、村の権力者である老女。「何者かに命を狙われている」「犯人を見つけてほしい」という訴えを聞き、アロと赤岩は、泊まり込みで捜査することに。
怪しい親族たち、村のしきたり、伝統的な祭り……など、こちらもやはりミステリ小説でよく見かける設定。しかしアロは、事件解決のヒントが若者に大人気の「アレ」に隠されていることを発見! 何がヒントかは本編で確認してほしい。
まったくタイプの違うアロと赤岩だが、事件を解決するときだけは、不思議と息ぴったりの名コンビに。今のところ恋愛感情はなさそうだが、今後は果たして……?
1巻、2巻は、6月28日に同時発売。令和のホームズ&ワトソンの奮闘を、ぜひチェックしてみてほしい。
文=中村未来