LINEマンガ インディーズ発、現在LINEマンガにて連載中のBL漫画『中原くんと宮田部長』(やぎり茂/ LINE Digital Frontier)は、「次にくるマンガ大賞 2024Webマンガ部門」にノミネートされている、現在注目を集めている作品だ。

　主人公の中原は誰もが振り向くイケメン男子。そんな中原は高校の学校見学で出会った調理部の部長・宮田に一目ぼれし、進路も変えて宮田と同じ高校に入学。そして入学と同時に調理部に入部し、宮田との距離を一気に詰めていく。

　しかしイケメンがゆえに片思い経験のない中原は、自分から人と仲良くなる方法がポンコツすぎるのだ。

　例えば登校中に宮田を見かけても、

「部長　今日も…いい感じっすね！」
「…なにそれ ホメるとこない人に言うやつじゃん」

　という具合に失言を繰り返してしまい、宮田といまいち仲良くなりきれない。

　しかしそんな中原の少しズレてるが一途で可愛い部分も本作の魅力だ。

　周りの女子からもたくさん話しかけられるが、部長以外は全く興味なし。誰かが部長と話していたらすぐさま割って入ったり、隙あらば部長と一緒に帰ったりお昼を一緒に食べようとしたりとしつこく猛烈アピールを繰り返す。

　そんな中原に徐々に「後輩として可愛い」と感じていく宮田。しかし、中原に切らないでほしいと言われて元々切るつもりだった髪を伸ばしたり、調理部として料理の作り合いっこをしたりと、やっていることは側から見ると「いや、宮田それ絶対好きじゃん！！」と読者としては思うが、意識しながらもあくまで中原の「先輩」として接している宮田を見るのも楽しい。

　また、中原目線で見える宮田部長の無意識のあざと可愛いさに、中原と一緒に読んでいるこちらもキュンとしてしまう。ふとしたときに見せる屈託のない笑顔や、周りに気遣いができる人としての優しさに、中原以外にも宮田のことを好きになっていく女子も出てくるほどだ。

　そうしていく中、とある場面を目撃してしまい、宮田が嫉妬してしまう。この出来事をきっかけに、最初は後輩として慕われている程度と思っていた宮田も、中原を少しずつ意識し、自分の気持ちをどんどん自覚していく。

　そんな二人の様子を見ながら「早くひっつけばいいのに！！」と思いながらもじわじわと距離を近づけていく様にニヤニヤしながら読む手が止まらなくなる。

　部長以外には全く興味なしの中原の一途さにもキュン、誰にでも誠実で素直な宮田の人としての優しさにもキュン、そしてそんな宮田が徐々に中原を意識し、自分の気持ちに気づいていく姿もキュン….と毎話毎話キュンポイントが募る。本作品を読んで二人の恋を見守りながら、この「じれキュン」の魅力をぜひ味わっていただきたい。

文＝ネゴト/ハマゾウ