冨永愛流コンプレックスの乗り越え方。自分に自信がなくても大丈夫。努力を重ねることが自信に繋がる

文芸・カルチャー

PR 公開日:2024/7/16

冨永愛 新・幸福論 生きたいように生きる"
冨永愛 新・幸福論 生きたいように生きる』(冨永愛/主婦の友社)

「憧れの女性は?」と問われたら、「冨永愛さん」と答えたい。トップモデルとしてだけでなく、俳優としても活躍する彼女には、見た目の美しさだけではない、内面から湧き出る凛とした美しさがある。それは彼女が、自らの幸せを常に開拓し続けてきた女性だからではないだろうか。17歳の時にNYコレクションでデビュー。トップモデルとして活躍する中、22歳で出産を経験し、その後は、シングルマザーとして仕事と子育ての両立を続け、2014年から3年間は、子どもと過ごす時間を確保するために、仕事をすべて休止。それでも、復帰後は、TBS系ドラマ『グランメゾン東京』(2019年)やNHKドラマ『大奥』(2023年)などで俳優としての活躍をみせたほか、モデルとしても、2020年にパリコレ、2023年にオートクチュールのランウェイにカムバックした。なんて華々しいキャリアなのだろうか。産休育休を経ても、プライベートを大切にしながらも、世界的に活躍し続ける。そんな彼女の姿には憧れを感じずにはいられない。

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冨永愛さん
(C)Yusuke Miyazaki

冨永愛 新・幸福論 生きたいように生きる』(冨永愛/主婦の友社)は、そんな冨永愛さんが初めて自身の生き方について綴ったエッセイ本だ。コンプレックスだらけだった子ども時代、英語も話せないのにニューヨークに渡った10代、子育てと仕事の両立に悩んだ20代、自分にとって本当に大事なものが見えはじめた30代、そして、その先にある40代のいま……。冨永さんが自身の半生を振り返りながら語る言葉は、悩める私たちの心に強く響きわたってくる。

「コンプレックスを乗り越えて幸せをつかむために、冨永さんが心がけてきたことを本にしたい」という依頼を受けた時、冨永さんは「私がそんなことを書くなんて、なんだかエラそう」と感じ、「正直、迷った」のだという。だが、この本に書かれたエピソードや、それに裏打ちされた言葉の数々は私たちに確かな力を与えてくれる。たとえば、驚かされたのは、冨永さんの、夢を叶える方法。それは、「夢を言葉にする」という、よく世の中で言われていることなのだが、「夢を口にして、かなわなかったら恥ずかしい」からこそ、冨永さんは夢のためにしっかりと準備を重ねる。「いつか時代劇に出演したい」と思っていたから、「時代劇に出るなら、馬には乗れたほうがいい。剣も使えたほうがいい」と何のオファーもないのに、個人的に馬術や殺陣を習い、テレビのトーク番組では「時代劇に出たい」と公言。NHKドラマ『大奥』の八代将軍・徳川吉宗役のオファーがきたのは、それがキッカケだったのだというから、なんという「引き寄せ力」なのだろうか。演技は未熟だから、せめて立ち姿だけでも将軍らしくありたいと撮影期間は家の中でも和服で過ごしたというのも、努力を欠かさない冨永さんならではだ。彼女に言わせれば、「夢をかなえてくれるのは、神様ではなく人間」。だからこそ、努力を重ね、夢を言葉にするという彼女のモットーは、是非とも参考にしたい。

 やはり、自分に自信をつけるために必要なのは、努力を重ねることだけなのだろう。幼少期はコンプレックスまみれだったという冨永さんは、「いま振り返ると、私にはコンプレックスが必要だったんだとわかる」と言う。なぜなら、「アジア人はセクシーじゃない」と言われたら、どうすればセクシーに見えるのか、モデルとしてポージングや表情を磨き、「黒しか似合わない」と言われたら自分に似合う鮮やかな色の服を探して身につけるなど、冨永さんは、死に物狂いで自分にしかない長所を探してきたから。コンプレックスは一生消えることはない。だけれども、昔ほどの脅威ではなくなってきたのは、「積み重ねた自信のおかげ」と冨永さんは語るのだ。

 いま、自分に自信が持てなくても大丈夫。努力を重ねていけば、きっと見えてくる世界がある。「自分の人生を誰かのせいにはしない」冨永さんの言葉に触れていると、自然とそう思えてくる。ああ、なんてエネルギッシュな本なのだろう。何だか力が漲ってくる。冨永さんの言葉に触れていれば、きっとあなたも、背中を押されたような、勇気づけられているような気分にさせられるだろう。

文=アサトーミナミ

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