あざとかわいいシマエナガ&クールなツッコミ役カラス。2鳥のシュールでユルい会話にハマる4コマコメディ!『永久機関シマエナガ』
公開日:2024/8/30
今やかわいい鳥の代表格として有名なシマエナガ。
日本では北海道にしかいないシマエナガと、全国各地で見かけるカラス。真っ白&真っ黒の真反対な2鳥による、シュールで時々ブラックな4コマコメディ。それが『永久機関シマエナガ』(青春/KADOKAWA)だ。
自分のかわいさに自信満々なあざといシマエナガさんと、そんなシマエナガさんの話に結局はいつも付き合ってあげるクールなカラスさん。一見正反対で噛み合わなそうな組み合わせだが、なんだかんだ2鳥は今日も仲良しだ。
2鳥が話すのは、いつもとりとめのないことばかり。シマエナガのかわいさや、彼らが暮らす北海道を中心とした地元ネタに季節ネタ、あるいは共通の話題となる鳥あるあるなど。
そこに時折織り交ぜられるのはちょっぴり皮肉の利いたブラックユーモアや、ついついクスッとするようなメタなネタ。
オタクでCP厨なメジロさんや、ヒヨドリさんにペリカンさん。時々別の鳥類も交えながら、2鳥は今日もどうでもいいやりとりを繰り広げつつ、仲良くのんびりと過ごしている。
こんな風に、本作ではユルくて肩肘張らない空気感が楽しめる。
加えて彼らの会話から、シマエナガをはじめとした鳥たちや、北海道という地域の豆知識を得られる点も面白いポイントだろう。
かわいさで有名なシマエナガだが、実は知っているのはルックスだけで、その生態についてはよくわからない、という人も多いはず。寒さが厳しいという特殊な環境下である北海道の暮らしぶりも、あまり縁がない人にとっては「へえ~」と思うような発見が転がっている。
かわいくてユルくて、ちょっぴり笑える。全体を通して終始そんな空気感が漂う作品ではあるが、共に時を過ごす2鳥にもきちんと時間は流れている。
野生のシマエナガの寿命はわずか3年。つまり2鳥が一緒にいられるのはその短い期間のみ。そんなシビアな自然の掟を挟みこんでくるところが、本作の見どころともいえる。
それを聞くと、仲良しな2鳥が迎える結末を思って悲しくなる…という人もいるかもしれない。
とはいえ心配はご無用。なぜならこのシマエナガさんは「永久機関」なので。冬が終わっても再び必ず春が来るように、一度終わったとしてもシマエナガさんの命はきちんと戻って来る。
そんな形で、なんだかんだと描かれ続けているシマエナガさんとカラスさんのユルい日常は、現在3巻まで発売中。願わくは、2鳥の代わり映えしないのんびりとした日々が、これからもずっと続きますように。