「これが最初で最後」冨永愛、美しすぎるすっぴんを公開! 今のリアルな自分を詰め込んだ新刊エッセイについて語る
更新日:2024/8/2
世界的なトップモデルであり、近年は俳優としても注目される冨永愛さんが最新エッセイ『冨永愛 新・幸福論 生きたいように生きる』(主婦の友社)を上梓。本書に「41歳の冨永愛はわりと幸せなんです」と綴る自身が、幸せをつかむために心がけてきたこととは? 発売を記念したトークショーで語られた冨永さんの言葉には、唯一無二のチャレンジを重ねてきた彼女だからこそ辿り着いた、独自の考えがちりばめられていました。
人生の総集編を語るなんて生意気
自身が「今の私が全部入ってます」と語る最新エッセイ。じつは、この本を出すかどうかギリギリまで迷っていたとか。「この年齢で人生の総集編を語るなんて生意気だし、おこがましい気がして。心を決めてからは、責任を持ってやり遂げました。言いたいことを語ったというより、今の自分を詰め込んだのでぜひ読んでください、という感じです。雑誌の撮影だと服のストーリーやイメージに合わせて表現するけど、自分を表現するのは難しかった。でも楽しかったし、いい勉強になりました」。
カバー写真や巻頭に収められたビジュアルは、ほぼ初めての「すっぴん」で撮影されたもの。「私としては裸になったような気持ちで、だいぶ恥ずかしかった。この本のためにはできて良かったけど、最初で最後だと思う」。
“生きたいように生きる”って、自分で決断して生きていくこと
本書には、仕事、コンプレックス、運、美容、子育て、女性の性…など各世代の心に響きそうなエピソードが綴られている。記憶に新しいのは、ドラマ『大奥』(NHK)で演じた徳川吉宗役だろう。時代劇への出演は冨永さんの長年の夢であったため、オファーがなくても馬術と殺陣の腕を磨き、準備していたことが本書で明かされている。「やりたいことを言葉にして伝えてきた人生だったなと思います。時代劇に出たいとテレビで話したのを脚本家の方が見ていてくださった吉宗役のように、万に一つ、チャンスがあるかもしれない。オファーがなくても準備していたのは、時間がないと出せる力が減ってしまうから。結果はもちろん大事だけど、後悔しないためにも、力を出し切ることは大事だと思う」。
子どもの頃から背の高さがコンプレックスだったが、そのスタイルの良さを生かしてトップモデルの座についた今でも尚、それが消えることはないのだそう。「ここは割と天井低いな…とか(笑)。小さくなりたいとは思わないけど、小さかったら良かった、と思うことはありますね。コンプレックスを持ってなさそうな人代表(自分を指さしながら)だと思いますけど、ありますよ。持っていない人はきっといない。でも以前よりは脅威ではなくなったし、自分にとっていいエネルギーになってきたことは確かに感じます」と語り、コンプレックスと向き合うためには「今の自分が幸せであることが大事」と続ける。「過去に何があったにせよ、今が幸せなら、自分を俯瞰で見れるようになるし、悩みを払拭できるような気がする。今の積み重ねが過去となり、未来になるから、今をどう生きるかを見つめることが大事だろうなと、経験上感じます」。
では、どのように今の自分の幸せを見つけていくのか。この問いについて、最新エッセイを読み返し、自分自身を俯瞰で眺めながら考えたという。「タイトルで“生きたいように生きる”と言い切っていますが、それは自由に生きることとは違って。生まれも環境も人それぞれ違うから、私だって自由には生きてないです。そうじゃなくて、自分で決断することが幸せにつながる。という結論に至りました。昨日の夜…!」と熱く語り、「選挙運動みたいに熱くなっちゃってますけど、冗談を挟まないと面白くないからね」と穏やかな笑みを見せて、会場を和ませます。
「人生の流れって絶対にあるけど、最後は自分で決めて行動していく。この本を出すことも、自分で決めたこと。人のせいにしないで生きていくってことが、“生きたいように生きる”ってことなんだと、思いました」と言い切る姿には、自分の人生に責任を持ち、自在に生きる冨永さんの人生が滲み出ているようで、感動の拍手が自然と湧き上がりました。
チャンスをつかめる自分であれ
来場者から寄せられた質問に答える時間もあり、日々のトレーニングや自分磨きに関する質問も多数寄せられました。
年齢を重ねても素敵でいられる工夫は「できるだけ年齢に抗って、今の自分のベストを目指すこと。諦めないこと」。トレーニングについては「ピラティス、ヨガ、自重、ダンベル、チューブトレーニング」とトップモデルらしい回答でしたが、「毎日はできないね…。週に3回、30分から1時間。午前中が多いかな。夕方は疲れてたり、ご飯を作らなきゃいけなかったりして、やる気がゼロになっちゃう。でも家でするのは難しい。やるぞ! って言いながらソファに横になっちゃうこともありますよ」という親しみの持てるコメントで会場を沸かせました。
「これまでの人生で印象に残っている言葉は?」という質問には、悩んだ末に「やっぱり『チャンスをつかめる自分であれ』っていう言葉は一番忘れられないかな」と回答し、「17歳で海外に行き始めた頃、何かの付録に載っていた言葉。この間読み返したら、そんなこと書いてないんですよ。似たような言葉を自分の言葉に置き換えたんでしょうね。でも、意味は同じ。それをパスポートの中に挟んで、ひとりで世界を回っていました」というエピソードを紹介。チャンスをつかむために普段から準備を欠かさない冨永さんを表すような言葉に、深くうなずく来場者たちの姿がありました。
一つ一つ言葉を選び取りながら語られた、新・幸福論。最後に「今日は楽しかったです。公開処刑みたいになっていて(笑)。なるべく嘘なく答えられたかなと思います」と感想を語った冨永さん。普段の洗練された雰囲気に加えて、フランクで実直な人柄が感じられるようなトークショーでした。
スタイリスト=仙波レナ ヘア&メイク=Haruka Tazaki
取材・文=吉田あき 撮影=内海裕之