親しき仲でもブチギレ人生/アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。①

更新日:2024/7/30

意味不明な不機嫌に振り回されちゃダメ

 似たような話で、先日うちの父が長年飼ってたペットが死んでしまって、落ち込んでたから、「気晴らしになってほしいな」と思って、父を呼び寄せて、交通費も滞在費も全部出して、1週間だけ東京で一緒に過ごすことにしたの。

 でもね? 親って、やっぱり子どもに対しては、遠慮がないじゃない? うちの父も意味不明に機嫌が悪かったり、態度がぶっきらぼうだったり……。もうとにかくイライラしっぱなし。

 最初はヮタクシもかなり気は遣ってたのよ。

「せっかく父を地元から東京に呼んでるわけだし、ここでヮタクシが怒ったら全部台無しになっちゃう」って。

 でも、謎の不機嫌状態が数日間続いたから、さすがのヮタクシも、途中でブチ切れたわ!

「ヮタクシがァンタのためを思って呼んだのに、なんでそんな機嫌悪いの? もっとこっちにも気を遣ってよ!!」って。

 そしたら父も反省して「年を取るとテンションにアップダウンが出るんだけど、自分では機嫌が悪いことに気が付かなかった。これから気を付ける」って言われたわ。

 そこからは、お互いに気を遣って過ごしたから、残りの日々は楽しく過ごすことができたの。気を遣うって、他人行儀で悪いものだと思われがちだけど、ヮタクシはそうは思わない。気遣いは、お互いが心地よく過ごすために、最低限必要なものだから。

親だってあくまで一個人、一人の他人

 この前、ヮタクシの地元の高知……ィヤッァッイェ〜スッッッラグジュアリーシンガポールに帰ったんですの。私の地元にはまだ親が住んでる実家もあるんです。だけど、ヮタクシは地元に帰った時は、毎回ホテル宿泊一択なの。

 家族仲もいいし、しょっちゅう会うし、一緒にご飯に行くほど仲良しなのよ? でも、ヮタクシは、親のように親密な関係だとしても、性格が合う部分と合わない部分ってあるって思うんです。親密な関係である親に対してだって、不満を感じるのは一緒だと思う。

 家族だから、血がつながっているから……と言っても、性格も違うし、考え方も違うのは当然。なんでも分かり合えるわけじゃないし、なんでも許せるわけじゃない。だから、ヮタクシはポリシーとして、親はあくまで一個人の他人としてみています。

 以前は、実家に帰るたびに、母とは大喧嘩になっちゃってたんです。

 どうしてわかってくれないのか、どうして仲良くできないのか。親だからこそ距離が近いし、ヮタクシのことをわかってくれてるって甘えちゃってるから「なんでわかってくれないの?」って気持ちが募って、腹も立つじゃない?

 でも、数年前に気が付いたの。いかに親でも、性格が合わないという事実は変えられないって。

 そこで、母と話し合ってみました。

「ゥチらって、お互いにイラっと来たらブチ切れちゃうから、ある程度距離感がある方がいいよね? ヮタクシが実家に泊まると、四六時中一緒にいることになって、どうしてもいやなところが目について、喧嘩になっちゃう。よい関係性を築くためにも、少し距離を置こう?」って。そこで、お互いに譲歩できる点を探した結果、地元に帰っても、実家で寝泊まりはしないことにしたの。

 そしたら、どうなったと思う? 母とものすごくいい関係になったのよ!

 会っても喧嘩しないし、お互いのことを外でよくしゃべるようになったし。イライラせずに、お互いのパーソナルスペースで過ごせるし、最高の関係。

 みんな頭の中で「家族はいつも一緒にいなきゃいけない」って思ってるじゃない? その一方で「実家に帰っても疲れるから、滞在できるのは3日くらいかな」とか呟いてる。

 でも、ヮタクシは家族だからずっと一緒にいなきゃいけないなんて、全然思ってない。仮に地元に帰っても、ランチタイムだけ会うとかディナーだけ一緒にするとかでいいのよ。「なんでみんなそんなに凝り固まっちゃってるの!」って言いたくなっちゃうんだけどね。

ブチギレたら、居心地の良い関係性ができる?

 仮に家族仲が良くない人であったとしても、それは今の付き合い方がうまくないだけで、視野を広げればうまくいく関係性っていっぱいあると思うの。

 みんな、よく言うじゃない? 「実家に帰ればずっと親と一緒にいなきゃいけないから、帰るのは面倒くさい。だから足が遠のいちゃう」って。でも、もっと柔軟に考えてもいいはず。

 親だって、子どもだって、親しい間柄だからこそ、「許してくれるだろう」って甘えるから、他人にはしないような嫌な表情やキツい言い方をしがちよね。

 距離を取るという言い方だと冷たい感じがするかもしれないけど、もっと言えば「お互いにとってベストな関わり方を見つける」ことが大事なんじゃないかしら。それは、片方が勝手に決めるのではなく、話し合いによって見つけるものだと思うから。

 ヮタクシの場合、気になることがあれば、いちいち確認していきます。

「誰かとずっと一緒にいると疲れちゃうから、一人の時間が必要かなって思うの。お母さんはどう?」
「帰ってきた時に、ちょっとだけ外で会うほうがお互い良い関わり方ができそうじゃない?」
っていうふうに。

 お互いに、話し合いを通じてよりよい関わり方を見つけていくと、結果として物理的な距離ができたとしても、精神的な距離はグッと縮まるはず。

 本当に大事なことは、一緒にいる時間は減っても、お互いの心のあり方やお互いの気持ちいい関わり方を見つけていくこと。

 多くの人は、物理的な近さを維持しなきゃいけないって勘違いしてるけど、それ以外の関わり方は、話し合いでいっぱい見つけていける。

 それに、その場で解決できるという安心感があると、何があっても絶縁する最悪の結末には至らないでしょ? 思ってることを全部相手に伝えるのは、相手にとっても成長するポイントな気がしてる。その結果、ヮタクシは親とのちょうどよい関わり方を見つけることができたなって思っています。年を取ると人は性格を変えられないというけれども、うちの両親もだいぶ変わりました。

 だから、ァンタ達に言いたい!
 親しい間柄の相手に対してだって、どんどん怒っていいのよって!

アレン

<第2回に続く>

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アレン

大物マダムタレント。生きる幻。 2014年、全身の美容整形に1500万円をかけた「日本一の謎の整形男子」としてタレント活動をスタート。 日々、嫌な事にはNoを突き付けブチ切れまくり、クリーマン(ファンの総称)達の生きる道標としてもォットリとご労働中。 この大地獄の世の中で、楽に生きる術を発信し続けている。本人曰く、ゆくゆくは当連載を書籍化したいと目論んでいる。