いじめるやつは地獄へと転落してゆくだろう/アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。④

小説・エッセイ

公開日:2024/9/10

「もうここにはいられない」と思った、授業中に回ってきた1枚のメモ

お調子者だったヮタクシには、いじめへの耐性なんて全然なかったから、最初はいじめられている感覚なんて全然なかった。

誰しもそうだと思うけど、一日で気付くことはなくて、ちょっとずつ違和感の積み重ねから「あれ、自分いじめられているな」と気が付いていくものなんでしょうね。

たとえば、友達に話しかけた時の態度が、いつもと違う。いつもは誘ってくれる子が、今日は誘ってくれなかったり。教室の掃除の時、自分の机だけ片付けてもらえなかったり、机の中身の教材を全部捨てられていたりとかね。

どうしよう、書いてて涙が出てくるんだけど、決定打となったのは、授業中に回ってきた1枚のメモだった。

いつもの授業中に、前のほうから私に1枚のメモが回ってきたの。

「なんだろう」と思って広げてみてみると、クラス全員一人ひとりが書いたヮタクシへの悪口が紙一面にびっしり書かれてたの。

それを見た時、自分の中で何かがドカンと爆発したわ。そして、授業中にもかかわらず、走って教室を出て、一人で走って保健室へ駆け込んで、ひたすら泣いたのを覚えてる。言葉にならないあの気持ちは、今思い出しても、胸がぎゅっとつかまれたような気持ちになる。

「クラスの全員が自分のことをこんな目で見てたんだ」

「もう教室には居場所がないんだ」
って感じた絶望感は、忘れられない。

今だったら、「その時に関わっていた友達なんて、大人になったら関わらないんだから無理しなくていい」っていくらでも言えると思う。

でも、その当時、ヮタクシは13歳で、ヮタクシの世界は学校がすべてだったの。

しかも、自分で学校を選んで、受験して、初めて自分で作り上げていこうと決めた矢先だったのに、その場所でいじめにあったことで、その世界がなくなってしまう衝撃っていったらもう、なかったわ。

今だったら、思いっきり相手の頭のヘァ毟りちぎり、ぶッ叩きァゲたでしょうけど。でも、世の中のこともわからなかった当時は、怖くてどうしてもできなかった。

「いじめたやつらを見返したい」という気持ちから不良の道へ

この話には後日談があります。

ヮタクシが保健室に駆け込んだ後、事情を知った先生から「これは大問題だから、一度家に帰りなさい」と自宅に帰されたの。

ヮタクシは自分がいじめられていることを親には伝えてなかったんだけど、これを機に親も知ることになって。その日は、涙を流しながら「もう無理に学校に行く必要はない」と言ってくれた母と二人で抱き合って泣きました。

でも、やっぱり、いじめられたのはすごくショックだったの。だから、その反動で、いじめたやつらをぶっ飛ばしたくて仕方なかった。

学校にはあまり行かなくなったヮタクシはどんどん荒れていって、悪い友達とつるんで不良になって、中学1年生の後半は、学校に行くだけでみんなが怯えるぐらいに荒れて、挙句の果てには少年院に行くことになりました。

学校には3年間在籍して卒業したけど、中学2年の後半からは少年院に入ったから、結局最初の8~9か月しか通ってないの。

ただね、ヮタクシはこの結果に対して、全く後悔してないわ。

不良になるのが良いか悪いかは置いておいて、「絶対にあいつらを後悔させてやる」という気持ちが抑えられなくて、そんな持て余した火山のマグマのような原動力が、非行という形で出てきたんだと思うから。

ちなみにいじめてきた主犯格だった子は、中学校を退学させられたのか、自主退学だったのか、とにかく退学して、ヮタクシたちが通っていた進学校から公立中学へと転校になったって聞いてるわ。

アレン

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アレン

大物マダムタレント。生きる幻。 2014年、全身の美容整形に1500万円をかけた「日本一の謎の整形男子」としてタレント活動をスタート。 日々、嫌な事にはNoを突き付けブチ切れまくり、クリーマン(ファンの総称)達の生きる道標としてもォットリとご労働中。 この大地獄の世の中で、楽に生きる術を発信し続けている。本人曰く、ゆくゆくは当連載を書籍化したいと目論んでいる。