放映中のP.A.WORKSオリジナルアニメ『真夜中ぱんチ』コミカライズ。人気動画投稿者、追放されたので吸血鬼と新チャンネル立ち上げます!
公開日:2024/8/19
『真夜中ぱんチ』(臼井ともみ:漫画、動画投稿少女:原作、『真夜中ぱんチ』製作委員会:監修/KADOKAWA)は、挫折から立ち上がる主人公と吸血鬼少女の友情と成長を描いた、笑いと感動の物語だ。
動画投稿配信サイト「ニューチューブ 」の人気動画投稿者だった真咲(まさき)は、生配信中の暴力行為によって炎上、所属していたグループから脱退させられてしまう。ひとりで新たなスタートを切ろうとする真咲だったが、一度燃えた彼女を待っていたのは、さらなる大炎上だった。しかし、吸血鬼少女・りぶとの出会いが真咲の人生を一変させる。
真咲の血が欲しいと要求するりぶに対し、真咲は交換条件として自分の動画に出演してもらいたいと持ちかける。それどころか「チャンネル登録者100万人が達成できたら私を食べていい」というとんでもない約束までしてしまう。真咲は自身の命を懸け、動画投稿者と吸血鬼という異色のコンビで目標達成を目指し“再生”の道を歩み始める。
『真夜中ぱんチ』は現在放映中のP.A.WORKSによる同名オリジナルTVアニメのコミカライズだ。臼井ともみ氏が描くキャラクターの表情や動きからは、アニメにも負けない生き生きとしたものを感じる。視覚的な楽しさと物語を自分のペースで味わえるのは、マンガならではの楽しさだ。
本作は挫折からの再生をテーマに描かれている。それを象徴するようなシーンが第1話にある。廃病院の屋上で足を踏み外した真咲は、炎上以降のことを思い浮かべ「誰からも必要とされてない」と失意のなか地面へと落下していく。そんな真咲をりぶは空中で受け止め、そのまま夜空へと高く舞い上がる。
「りぶには君が必要だよ」
世間からの評価はもちろん、現実においても文字通り真っ逆さまに落下していた真咲が、生まれ変わった瞬間だ。
それをもたらしたのは、真咲を必要としてくれるりぶという存在との出会いだ。新しい人や物、方法や考え、あらゆるものとの出会いを経て、気づきを得て、困難を越えていく。
誰もが何かを発信する時代。誤解されたり、謂れのない中傷を受けたりした経験を持つ人も多いだろう。そんな人にとって動画投稿者の苦悩をリアルに描いた本作には、共感できるポイントがきっとあるはずだ。
一度はどん底まで落ちた真咲が、再び立ち上がり奮闘する姿は、今を生きるあなたの心に残るはずだ。これから先、たとえ困難が訪れても、それを笑い飛ばせるような、そんな力にこの作品がなってくれるだろう。