注目を集めている「レジリエンス教育」って? 子どもが将来、困難なことを乗り越えられる力を絵本で育てる
PR 公開日:2024/8/22
我が家の小2長男は、小学校入学以降「僕って何してもダメだからさ……」なんて言うように。優劣をつけられる機会が少なかった保育園・幼稚園時代に比べ、小学生になると勉強・体育と相対的に自分を見る機会が増え、「自分って大したことないんだな」と気づくのも人生の通過点のひとつ……。ではありますが、自分の子どもには自己肯定感高くいてほしいのもまた親心。どうしたら自己肯定感が高まるんだろう、と思っていた時に出会ったのが『きみのいいところがみつかる えほん』(足立啓美:監修、川原瑞丸:絵/主婦の友社)です。
本作は、「4歳からのレジリエンス教育絵本」第2弾。レジリエンスとは「困難に負けずに生きる力」のこと。そして困難を乗り越えるには、その子の性格的な強みこそが大きな助けになることがわかっています。しかし性格的な強みは目に見えるものではないのでなかなか気づきにくいもの。そこで親子で本書を一緒に読むことで、子どもの性格的な強みを発見していこうというのが本書の趣旨です。
本書ではまず、自転車の練習をする子や、お友達とトランポリンを練習する子を紹介。例えば自転車を練習している子には、「ゆうきをだしてちょうせんできる」といいところを見つけます。
日常の何気ない行動にも自分のいいところ=性格的長所が現れていることに気づかせてくれるこのシーン。一緒に読んでいた長男も「僕も自転車の練習した!」と嬉しそう。具体的な例があることで、自分では気づいていないところに自分の性格的長所が潜んでいることが理解できたようです。
本書ではさらに、自転車を練習したり、トランポリンをする友達を「怖くてできない」と見ていた子にも「こわがりやさんのきみにはきみにしかないいいところがある」と紹介。短所だと思っていたところも、裏を返せば長所になると教えてくれます。
ここでは同じく怖がり5歳次男が「怖がりもいいとこなんだね!」と興奮気味でした。
その後も日常のちょっとした行動を切り取り、その子のいいところを一緒に考えます。
また、絵本に出てくる子のいいところをヒントとともに考えるクイズも。
クイズ大好きな我が家の兄弟。「はいはい!」と手を挙げながら「◯◯なところ?」と答えていました。
巻末には「性格的な24の強み」として「好奇心」「控えめな心」など24のいいところをイラストと文章で紹介。「これは僕ある!」「これはママにもあるね」とふたりとも一生懸命に、私のいいところまで探してくれました。
本書を一緒に読んで、子どもたちが「自分にもいいところがたくさんあるんだ」と気づいてくれたのがまず嬉しかったです。そして親自身、子どものいいところに目を向けられていなかったなと感じました。そもそも日本人は身内に厳しくしてしまいがちな人が多い気がします。さらに毎日一緒にいると悪いところは目につくものの、いいところを発揮していても「いつものこと」と流してしまいがち。もっと子どものいいところに目を向けていこう、と子育ての大切な部分に改めて気づくことができた一冊でした。
文=原智香