メルカリで得た利益の申告は必要?ドルオタFPがマンガで解説するマネー本『お金の相談はFPマネ子さんにおまかせください』
PR 更新日:2024/8/20
マイホームは「持ち家」「賃貸」のどちらがいいのか。親から相続した遺産にはどんな税金が、どの程度かかるのか。子どもの教育費はいつまでに、どのくらい貯めるべきなのか……。
こうした「お金」にまつわる疑問は、人生のステージが進む中で多くの人に生まれるもの。しかし、事前に勉強をしている人は少数派だろう。
世の中には「財テクとか税金とかの話は難しくて苦手」という人が多いし、「勉強してみたいけど、字ばかりの難しい本は読みたくない」という人も多いからだ。
筆者もそんな1人だったが、マネー系の疑問については、マンガ形式の入門書をとっかかりとすることで、少しずつ知識を高めてくることができた。
なお、その手のマネー本には「マンガ形式と言いつつ、セリフの文字がメチャクチャ多い」「マンガよりも解説の文章のほうが長く、結局は内容が難しい」みたいなものも多い。当たり外れの差が激しいため、人にお薦めできる本は実は少なかったりするのだが、『お金の相談はFPマネ子さんにおまかせください』(まつい/講談社)は“当たり”の1冊として推薦できるものだ。
本書はタイトルの通り、ファイナンシャルプランナーのマネ子さん(26歳・女性)が、お金にまつわる疑問・相談にズバズバ答えてくれる内容なのだが、そもそもマンガ自体が面白い。
表紙のマネ子さんは“ツン”とした表情をしているが、実はアイドルオタク。デレデレモードの表情も多く見せてくれて、まずキャラクターとして愛らしいのだ。
そんなマネ子さんに様々な相談を投げかける、独身会社員の主人公・金飛常雄さんとの関係もラブコメ仕立てになっている。恋のライバル!?的な存在も登場するなど、ラブコメとしてもストーリーに気が利いているので、お金がテーマの話なのに「続きが読みたい」「続刊が出たら読んでみたい」と思ってしまう内容なのだ。
また全6話のストーリーには、「推し活での親の遺産の使い込みと相続税の問題」「メルカリの出品で得た利益は申告が必要か」など、非常に“今っぽい”テーマが多い。また築25年の軽井沢の別荘を売りつけてくる不動産屋の、「実は今さっき他にも買いたいっていうお客さんが現れてですね」という売り文句なども非常にリアルに感じられた。
……と思って巻末を見たら、各話の原案は「相続専門の公認会計士」「不動産投資家」「フリマアプリ・ネットオークションガイド」などの専門家が作っていることが明記されている。
なので本書は、マンガとして面白いうえに、専門的な知識もしっかり学べる。「持ち家と賃貸のどちらがいいか?」などの疑問への回答は、マネー系の勉強をはじめたばかりの人には学びが深い内容のはずだ。
ちなみにマンガの各話の合間に文章のみの解説も挟まれるが、分量は非常にコンパクト。ファイナンシャルプランナーの方へのインタビュー形式で非常に読みやすいので安心してほしい。
文=古澤誠一郎