「ひとつ取るだけで人生が変わります」47の資格を持つお笑い芸人・市川義一さんが資格を取り続ける理由とは?【インタビュー】

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PR 公開日:2024/8/29

市川義一さん

 ファイナンシャルプランナーからカッパ捕獲許可証(!)まで、47もの資格を取得してきたお笑いコンビ・女と男の市川義一さんが、このほど『「地味な資格」だけで人生は豊かになる:資格で人生を激変させた「資格芸人」が教える処世術』(Gakken)を上梓。「資格が役に立つのは分かっているけど、勉強時間がないし、難しいし……」と思っている人は多い。しかし当然ながら資格試験ごとに難易度はピンキリなので「みなさんが想像するよりも簡単」と市川さんは述べる。人生に大きく変化を与えてくれた資格によって、仕事の幅を広げ、なおかつ自己肯定感も高まったという市川さんに、本書の執筆秘話や資格取得の秘けつを聞いた。

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ファイナンシャルプランナーを皮切りにユニークな資格も

――本書ではこれまでに取得した47個の資格について「難易度」「習得時間」などの実用的な情報を紹介しつつ、取得当時のエピソードをかなり細かく振り返っていますね。

市川義一さん(以下、市川):そうなんです。資格を取りはじめた当時は取得したら終わりと思っていたんですけど、取得後のエピソードがたくさんあって。改めて執筆中に振り返りながら「過去の経験が、今に生きているんだなぁ」と思いました。

――原点はファイナンシャルプランナー3級の合格だったそうですね。コンビ結成後、ラジオで共演した元芸人でトップセールスマンの方から「大学で経済学部出たんなら、お金の芸人やったらおもしろいんちゃう?」と言われたのがきっかけ、とありました。

市川:当時は、相方が週5~6日は働いていたのに、自分は週1日しか仕事がない状況だったんです。結婚して子どももいたけど、不安定な仕事ですし、保険の選び方や貯蓄のやり方も分からず、確定申告すらよく分からないままやっていた不安もあったので、アドバイスを受けて「ほんなら僕も、資格取ります!」となりました。取得後は家計にも役立ち、コロナ禍で仕事が激減した時期にはお金に関するオンライン講演会で食いつなげたんです。芸人仲間には確定申告の意味ややり方も教えることができて、プライベートも充実しました。

市川義一さん

――相方のワダちゃんさんは市川さんの資格取得について、何とおっしゃっているのですか?

市川:いろんな資格を取りはじめた頃は「そんなことよりネタ書けよ!」と、めっちゃ怒られていましたね(笑)。でも、今では漫才のつかみで「市川くん、47個もの資格を持っているんです。すごいでしょ。持ってないのはお笑いの資格だけなんです」とネタにしていますし、家電製品総合アドバイザーの資格を生かしてアドバイスもしてあげています。ラグビーのC級レフェリーの資格が役立ってラグビーのイベントでコンビの仕事をいただけるようにもなり、相方にも還元できているのはうれしいですね。

――分かりやすく実用的な資格を多数取得されている一方で、カッパ捕獲許可証などのユニークな資格も多く持っていらっしゃいます。

市川:芸人なので、やっぱり「おもろい」も優先したいんです。先輩芸人のダイアン・津田(篤宏)さんからすすめられたのがきっかけで、カッパ捕獲許可証やダグラス・マッカーサー検定などを取得しました。仲間うちの会話では「なんやねん、それ!」とツッコんでくれますし、コミュニケーションツールでもあります。ひとつひとつ資格が増えるにつれて「この資格をというよりも、持っている資格を増やしたい」とモチベーションも変わってきて、落ち込んだときは、取得した合格証をズラッと並べた景色を眺めて自己肯定感を高めているんです(笑)。

市川義一さん

――(笑)。多くの資格試験にチャレンジしてきて、なかには取得できなかったものもあるのでしょうか?

市川:不合格になった資格もたくさんありますよ。例えば、タオルソムリエ資格試験です。タオルは「毎日使うし、仕事にもなりそう」と思って受験したんですけど、試験会場へ行ってみたらガチのタオル職人の方々ばかりだったので焦りました。事前にテキストで勉強していったものの手も足も出なかったです(苦笑)。

市川義一さん

誰かがすすめてくれた資格の取得は「メリットが大きい」

――本業のお笑い芸人のお仕事と、資格を生かしたお仕事の合間に勉強されているのでしょうか?

市川:資格によって難易度が違いますし、ケースバイケースです。合格率などを加味して、ちゃんとした勉強が必要だと思ったら試験日まで逆算し、3カ月ほど前から計画的に進めていきます。逆に、一夜漬けで合格できる試験もありますね。

――市川さんが「これを受けよう」と決めるポイントはどんなところですか?

市川:まず、内容に興味を持てるかどうかです。僕は資格を取るのが第一の目的なので、取りやすさと合格率も基準にしています。あと、「この資格取ってみたら?」と誰かがすすめてくれたものもチャレンジしようとは思っていますね。例えば、旅行などの添乗員に必要な国内旅程管理主任者は、落語家の月亭八光さんが企画するバスツアーで盛り上げ役を任されたときに「おまえ、添乗員の資格取ったら、わざわざよそから添乗員を雇う必要がなくなるからギャラが増えるんじゃないか?」と言われたのが取得するきっかけでした。すすめられた資格を取得すると、すすめてくれた方も協力的に接してくださるようになりますし、メリットは大きいですね。

――お話を聞いていると、複数の資格を取得することで人の輪が広がるし、自信のない人には心の支えになるのではないかと思いました。

市川:そうなんですよ。例えばカッパ捕獲許可証や、パソコンだけで受けられるタイピング技能検定のように比較的取得しやすい資格を持っているだけでも周囲の目が変わります。お笑い芸人としてのネタは形のないものですけど、資格には合格証というハッキリとした形がありますし、毎年ひとつでも「この資格を取ろう」と決めると、常に自分が前へ進んでいるという「成長」を実感できます。

――コロナ禍以降ではオンラインの受験環境が整備されて、資格を取得しやすくなったと聞いたことがありますが、実際どうなのでしょうか。

市川:僕もそれは感じています。リアルな試験会場でしか受けられないとなるとチャンスが限られてしまいますけど、今はオンライン試験も多く実施されて場所と時間については結構自由になりましたね。仕事などとのスケジュールを柔軟に調整できるようになって、合格のチャンスが広がりました。

――これまで数々の資格を取得されてきて、自分で作りたい資格はあったりしますか?

市川:あります。いろいろとアイデアはあるんですけど、今は健康のために飲んでいる白湯の知識を深められる「白湯検定」を作りたいですね(笑)。

――(笑)。では最後に、読者の方々に向けてメッセージをお願いします。

市川:「資格=難しい」というイメージを持っている人がほとんどだと思います。でも、実際は「想像よりも簡単ですよ」と伝えるために、この本をまとめました。合格証を手にしながら「自分ってすごい」と自己肯定感を高めていただきたいですし、人脈や収入にもよい影響が生まれるので、まずはひとつの資格を取得して「人生って面白い」と実感していただきたいです。

市川義一さん

取材・文=カネコシュウヘイ

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