今投稿しているその内容、本当に大丈夫? 誰もがドキッとする現代の因果応報の物語『SNS狂の女~自己顕示欲のバケモノ~』
PR 公開日:2024/8/24
X(旧Twitter)、Instagram、LINEにTikTokやBeReal…世の中にはさまざまなSNSが流行している。大半の人がどれかひとつは登録しているだろうし、複数のSNSを使い分けている、なんて人も大勢いることだろう。
今の時代、たくさんの物事がSNSに大きな影響を受けて動いている。一方でこのSNS、使い方を間違えると自分の身を滅ぼしかねない、“諸刃の剣”なツールであることも間違いない。
『SNS狂の女~自己顕示欲のバケモノ~』(もうりみつこ:漫画、乙葉一華:原作/DPNブックス)は、そんな自身の自己顕示欲や承認欲求のためにSNSの使い方を誤り、この世の地獄へと落ちていく女性たちの物語だ。
大学のミスコンで準グランプリに選ばれた女子大生、下村由紀。雑誌の読者モデルも務める彼女は表向きこそ栄えある準ミスの称号を喜んでいたものの、裏では自分がグランプリに選ばれなかったことでミスコングランプリの女性に嫉妬。SNSで隠れて誹謗中傷を行うような陰湿な行為を繰り返していた。とにかく自分が一番。誰よりもちやほやされ、注目されたい。だからこそ自分より注目を集める女性や、かわいい・キレイともてはやされる女性のことが許せない。
同業のモデルを始め周囲の女性をSNSで誰彼構わず攻撃し、一方で自分はフォロワーを買収したり、権力のある人にだけ媚びを売る彼女。だがその悪行も長くは続かなかった。
ある日、自身の嫌がらせやSNSでの自作自演を暴露され、たちまち“卑怯者”のレッテルを貼られ、雑誌の仕事やSNSアカウントまで失ってしまった由紀。
実は彼女を告発したのは、元々由紀に憧れていながらも由紀に邪険に扱われたことで腹を立てた奈々だった。
彼女の悪行を白日の下に晒し、卑怯者を成敗したと満足げに自らの行いを振り返る奈々。しかし、この時の彼女はまだ気づいていなかった。SNSで顔も知らぬ大勢の人が自身を褒め称える声に、承認欲求を拗らせた奈々もまた、少しずつ狂わされていくということに…。
多くの人にとって、どこか他人事とは思えないSNSトラブルやSNS中毒。今作に登場する由紀のように、SNSで心無い言葉を吐く人たち。あるいは奈々のように、過剰に顔も知らない他人の行いを悪だと騒ぎ立てて攻める人たち。SNSをやっている人にとっては、もはや見慣れた光景でもあることだろう。
たくさんの情報が千差万別に流れてくるSNS。だからこその面白さもあるが、中にはもちろん由紀や奈々のような人たちと遭遇して「嫌な気持ちになる投稿を見てしまった」ということもある。
そんな時にはどうすればよいのか。黙って華麗にスルーしたり、自分の視界に二度と入らないようにするのも手かもしれない。嫌な気持ちになったからといって、その相手や赤の他人を攻撃するのはナンセンス。
誰かを攻撃するということは、誰かに攻撃される可能性があるということだと自覚すべきだ。それは、SNS上の誹謗中傷でも同じ。日本には古くから「因果応報」という言葉もある。悪い行いは必ず、回り回って自分の元に返ってくる。今作に登場する女性たちが、その最もよい例だろう。
同時に我々もまた彼女たちを反面教師として、SNSの使い方については改めて気を付けなければならないのかもしれない。