Amazonレビュー4.9の新星！学園のおしとやかな完璧美少女・完璧美男子が“裏の顔”で恋をする『恋せよまやかし天使ども』

更新日：2024/8/30

　気になるあの人が、もし自分と同じ秘密を抱えていたら。その秘密を、自分だけに明かしてくれたとしたら。「次にくるマンガ大賞2024」にノミネートされ、「U-NEXT賞」コミックス部門を受賞した『恋せよまやかし天使ども』（卯月ココ/講談社）は、完璧美少女と完璧美男子がお互いの“裏の顔”を知ることから始まるギャップ萌えな青春ラブコメだ。

本作は「次にくるマンガ大賞2024」にノミネートされ、特別協賛のU-NEXTから贈られる特別賞「U-NEXT賞」のコミックス部門に選ばれた話題の作品だ。「U-NEXT賞」は「あなた（you=U）におすすめしたい、NEXT ブレイク作品！」というコンセプトで、コミックス部門、Webマンガ部門それぞれから選出される。U-NEXTの「次にくるマンガ大賞」への特別協賛は今年で6回目となるが、今回も動画と電子書籍を共に扱うU-NEXTならではの視点で、いまマンガファンに注目してほしい作品が選ばれた。

　主人公の桂おとぎは、学園内で誰もが憧れる完璧な美少女。整った容姿や振る舞いから「心撃の天使（エンジェル）」と呼ばれているが、それは彼女が周囲の期待に応えるため作り上げた“表の顔”に過ぎなかった。実際には男前な裏の顔を持っているおとぎ。そんな彼女が気になっているのは、同じクラスの完璧美男子、一刻（にのまえとき。彼女は密かに”いっこく”と呼んでいる）だ。

　おとぎと同じく、誰に対しても優しく学業でも優秀な一刻。しかし、おとぎは一刻の“完璧さ”に疑問を抱き、彼にも自分と同じように裏の顔があるのではないかと疑い始める。

　こっそり一刻を観察し始めたおとぎだが、どれだけ観察しても彼の様子は変わらず完璧なまま。疑ったことを心の中で詫びるおとぎだったが、ある日、トラブルをきっかけにおとぎの男前な裏の顔が一刻にバレてしまう。「やばい　やっちゃった」と後悔するも、実は一刻にも裏の顔があって……!?

　X（旧Twitter）に第1話が投稿されるやいなや、19.5万の「いいね」を獲得し、既刊3巻のAmazonカスタマーレビューでは驚異の星4.9という高評価を得ている本作。（2024年8月現在）その最大の魅力は、なんといってもメインキャラクターふたりのギャップと“共犯関係”にある。お互いの本性を知ってしまったことから、おとぎは一刻に「さらけ出し合った仲」として気に入られ、ふたりの距離はぐっと近づいていく。

　誰にも見せない秘密を共有し合う仲というのは、それだけでもニヤリとくるものがある。「学園のマドンナ」の正体が男前な性格なのも、女性読者の心を掴んだポイントだろう。実は悪そうなイケメンと、男勝りな美少女。筆者自身、この組み合わせに撃ち抜かれた読者のひとりだ。

　しかし本作の醍醐味は、ふたりの親密さが進んだ先で生まれる“すれ違い”だ。一刻の内面を知るたびに、おとぎは彼に惹かれていき恋心を自覚する。好きな相手が自分だけには素を見せてくれる。その特別感は「もしかしたら脈があるかも？」と期待してしまっても仕方ない。相手の言動に一喜一憂してしまうのは片思いの楽しみとも言えるが、恋愛初心者のおとぎには厄介なもの。