開店前に入っていい? と聞く客。気弱なパン屋の店主は押しに負け… 不器用だけど心優しいわにが幸せ紡ぐ、心温まるパン屋物語

マンガ

公開日:2024/9/7

がんばれ! コッペパンわに

 毎日、焼きたてのパンに囲まれて働くことを想像しただけでも幸せな気持ちになれる。小さい頃「将来はパン屋さんになりたい」と憧れたことがある人も多いのではないだろうか。

 実際は朝早くからの肉体労働で、ひとりで切り盛りするなら接客もこなさなければならない。パン屋を営むわにの日常を描きSNSでも話題となった『がんばれ! コッペパンわに』(類/KADOKAWA)は、ハードな仕事であるパン屋を応援したくなる心温まる物語だ。

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 ふわふわ街の小さなパン屋「ベーカリーわに」を営むコッペパンわには、気弱で不器用だけど心優しい店主。優しいわにくんは、開店前の客や理不尽なクレームなど、お客さんに振り回されタジタジになってしまう。そんな中でも、自慢のパンたちと持ち前の優しさで周囲の人々を幸せにしていく。常連客との心温まる交流や友人たちとの日常が描かれる。

 パンへの強い想いと探究心なら誰にも負けないわにくんが作り出すパンは、どれも本当に美味しそう! またアイディアも豊富で、どれも実際に食べてみたくなるものばかり。物語の各所に登場するユニークでかわいいパンにも注目してほしい。

 また個性豊かな仲間たちとの交流も見逃せない。笑顔を絶やさないシナモリスや毒舌だけど心優しいコロちゃんとの友情、そしてふわふわ街の愉快な常連客たちとの触れ合いが、物語に彩りを添える。

 パンを作ることが何より幸せなわにくんだけど、気弱ゆえに落ち込むこともしばしば。それでも、いつでも食べてくれる人のことを考えて作るわにくんのパンは、食べた人を笑顔にしてくれる。パンを通じた人々との絆も本作の大きな魅力。

 また巻を追うごとに、わにくんの成長とともに、わにくんを慕う仲間が徐々に増えていく様子が楽しめる。

 絵本のような親しみやすさと、大人の心を癒す深い魅力を併せ持ち、幅広い層に愛される本作。パン好きはもちろん、日常の癒しやほっこりした作品を求める人にとって、心の栄養剤となるはず。読むと街のパン屋さんへ足を運びたくなってしまう1冊だ。

文=ネゴト / ニャム

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