「辺境の雪男」から突然のプロポーズ!? 契約結婚から始まる心温まる雪国の物語『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』
公開日:2024/9/17
額に汗し頑張るそこのあなた。忙しい日々にお疲れではないだろうか? そんな時は涼しい雪国の物語に浸ってみるのはいかがだろうか?
『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』(白樺鹿夜:漫画、江本マシメサ:原作、あかねこ:キャラクター原案/主婦と生活社)は、辺境貴族と元軍人の「お試し婚」から始まる、雪国でのスローライフを描いた心温まる物語だ。
北欧貴族のリツハルド・サロネン・レヴォントレットは、お嫁さんを探すために夜会に参加していた。しかし、彼が領主を務めるのは極寒の地。環境の厳しさから女性に逃げられてしまっていた。その結果、新たな女性を求め夜会に参加し続ける彼は「辺境の雪男」と呼ばれていた。
そんな中、元軍人で「紅蓮の鷲」と呼ばれるジークリンデ・フォン・ヴァッティンに一目惚れしてしまったリツハルドは、婚約を申し込む。彼から事情を聞いたジークリンデは、1年間の期限をつけて「お試し婚」を提案する。
こうして、辺境貴族と元軍人は自然に囲まれた極寒の地での共同生活を始め、互いの絆を深め心通わせていく。
『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』は原作者の江本マシメサ先生のデビュー作にして「第3回なろうコン」金賞受賞作のコミカライズ作品。自然に囲まれた雪国で生活するリツハルドやジークリンデを、白樺鹿夜先生のイラストが美しくも生き生きと描写している。
リツハルドの治める地は雪に囲まれ自給自足を基本とする土地。彼は領主として過ごす傍ら、孤独を感じていた。両親も傍に居らず、半分は異国人の血をひくゆえに村人から冷たく扱われることもある。そんな彼の前に現れた強き女性ジークリンデ。彼女との生活はリツハルドにとってかけがえのないものになっていく。
厳しい自然の中にあっても故郷の良さや美しさをリツハルドは知っている。そしてジークリンデも彼やその故郷について知って、雪国での生活を気に入っていく。彼は彼女と、彼女は彼と出会ったことで、孤独に感じていた心の隙間を埋めて、共に生きていく。その様は読者として読んでいてとても心地が良い。
この物語に描かれる、ふたりの姿はまさに共同生活の理想のように思える。互いを尊重し協力し分かち合いそして生きていく。そんなふたりの姿に心が洗われるようなそんな気分にしてくれる。『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』は北欧の美しい景色や描写、そして心温まるストーリーであなたを癒してくれるだろう。