「あなた誰?」身に覚えのない目撃情報。自分にそっくりな人物が近づいてくる恐怖。もしもドッペルゲンガーが現れたら…

マンガ

更新日:2024/9/25

友達のドッペルゲンガー

 SNSで話題の衝撃作『友達のドッペルゲンガー』(ちょん。)は、友人の身に突如降りかかった恐怖体験をもとに描かれたホラー漫画だ。ちょんさんが高校生のころのある夏、友人が恐ろしいことに巻き込まれたエピソードが描かれている。

 ちょんさんと「ゆう」と「あお」は仲良し3人組。ゆうだけ別の高校だったが、学校終わりにはよく一緒に遊んでいた。夏休みに彼氏と海に行き、1日楽しんできたゆう。だが、帰るときにある事件現場を目撃したことがきっかけで、恐怖体験に巻き込まれていく――。

advertisement

 その日ゆうが訪れた海辺で起きていたのは、一家心中の自殺事件だった。ゆうと同い年の17歳の女子高生が、父親の心中に巻き込まれて殺されてしまったのだ。その事件現場で軽い気持ちで「死にたい」と口にしたことで、ゆうは死んだ女子高生の霊にとり憑かれてしまう。言霊という言葉もあるほどなので、軽い気持ちでも決して「死にたい」と言ってはいけないのだろう。

 幸い、あおとその母には霊感があり、簡単なお清めに成功する。そしてとり憑いていた霊は見えなくなるのだが、それから多くの人がゆうの「ドッペルゲンガー」を目撃する不可解な現象が起こりはじめていた…。

 ドッペルゲンガーは、本人に会うとその身体を乗っ取ってしまうといわれている。実際、ゆうはその身体を乗っ取られ、別人のようになってしまった。勉強に集中するからといって一方的に彼氏と別れたり、友人のちょん。さんやあおを遠ざけたり、周囲の人にとって形容しがたい不気味さが増していく。

 ちょんさんの絵柄がかわいらしいことも相まって、物語を読めば読むほど、じわじわとした恐怖が迫ってくる。特に、乗っ取られた後のゆうの笑顔の“違和感”はすさまじい。現実の延長線上にある不気味さを感じられるのは、本作ならではの体験ではないだろうか。

 果たして、ゆうは自分の身体を取り戻すことができるのだろうか――。ちょんさんと友人たちが体験した恐ろしい物語を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

関連記事


【特集】怖い話

あわせて読みたい