読んで、歌って、子どもが夢中! 親子でいろいろな楽しみ方ができるねこ×ピッツァのユーモア絵本
公開日:2024/9/19
不朽の名作『からすのパンやさん』しかり、超人気シリーズ「パンどろぼう」しかり。たべもの×かわいいキャラクターの絵本は大人も子どもも楽しめるものが多い気がします。そんなたべもの×かわいいキャラクター界に現れた新星が『こねこねねこの ねこピッツァ』(くさか みなこ:作、カワダ クニコ:絵/KADOKAWA)です。
本作の主人公は食べるのが大好きなねこのきょうだい。ねこがたトラックに乗って、ねこがたのピザを焼くお店を開いています。
ねこピッツァのお店は、到着前から行列ができるほどの人気。7匹で力を合わせてピザ生地をこね、トッピングを作り、大忙しでピザを焼きます。しかし、中にはつまみ食いをしたり、運転席でお昼寝をしているねこも……。
5歳次男と読んでいたのですが、「あ、お昼寝してるよ!」「バナナ食べてる!」と発見する度嬉しそう。他にもツッコミポイントが多く、いつのまにか小2長男も寄って来てふたりで楽しそうにねこたちにツッコミを入れていました。
ある日、「ぞうくんの誕生日に特大ピッツァを焼いてほしい」という依頼が。大きなピザを焼いたことがない7ひきは戸惑います。しかしハチワレの「でもそんなにおおきなピッツァなんてワクワクするなぁ~」という一言で全員前向きに! 朝、日が昇り切らないうちから生地をこね、トラック内に入りきらない生地を屋根の上にのせて運びます。
チームワークとアイディア、そしてぞうさんたちの協力で特大ピッツァ完成に向けて頑張るねこたち。子どもたちも「がんばれー!」「やったー!」と大盛り上がりでした。
読み手として本書の素晴らしいと思うところは、何度か出てくる「こねこねピッツァ こねピッツァ~♪」という歌に曲がついていること。
読み聞かせをしていると、歌が出てくるもののメロディーがわからず。とりあえず適当に歌ってみるけど、特に夫が近くにいる時なんてかなり恥ずかしい……。そんな思いをした人は私だけではないはず(と思いたい!)。歌を覚えてしまえば読み手も楽しく歌えるし、我が家では1~2回ですぐに歌を覚えた子どもたちも一緒に大合唱。いつも寝る前に読み聞かせをしているのですが、楽しい気持ちで一日を終えることができました。
巻末には7ひきの名前と性格、好きなピザを紹介するページも。
よく読むとページごとのリアクションにもそれぞれの性格が表れていたりして、大人も繰り返し楽しめるのが素敵です。
ねこのピザを一緒に作ってみるといった楽しみ方もでき、親子ともにお気に入りの一冊となること間違いなしです。
文=原智香