「この人たちと離れたら死ぬ」4歳でバックパッカーに。海外旅行初体験の両親と無計画な世界放浪の旅へ

マンガ

公開日:2024/9/27

世界放浪 バックパッカーは四歳児

世界放浪 バックパッカーは四歳児』(尾形未紀:漫画、高岡大祐:原案/竹書房)は、チューバ奏者・高岡大祐氏が幼少期に体験した実話を基にしたトラベルエッセイだ。4歳児の視点から描かれるこの作品は、家族でのバックパッカーの旅というユニークな経験に、数々のトラブルやハプニングが描かれている。

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 物語は約40年前に遡る。当時4歳だった高岡大祐は、突然両親に連れられてヨーロッパへと旅立つことになる。家も引き払い、期間は1年間。泊まる場所も決めず、知り合いもおらず、荷物1つでまさにバックパッカーのような無計画な旅が始まる。放浪の旅は、行き当たりばったり。両親は海外旅行初体験なのに、ロンドンでフラット(アパート)を借りたり、オンボロ中古車を購入したりと、生活者ならではのエピソードが楽しめる。

 この作品の最大の見どころは、4歳児の視点から描かれるリアルな体験談にある。幼い子どもの目に映る世界は、大人とは全く異なり、純粋でありながらも時にシリアスで、子どもならではの必死さや、未知との遭遇への好奇心、トラブルの楽しみ方が新鮮だ。

 また、食事やお風呂事情、家族でのヒッチハイクなど、あっと驚くエピソードが4歳児の視点から描かれる。高岡家の冒険は、読者に笑いと発見を提供しつつ、子連れバックパッカーのリアルを教えてくれる。

 そして意外にも、無計画な旅であっても、家族が楽しく、そして仲良く旅を楽しむためのポイントが紹介されているように思う。家族がどのように助け合い、トラブルを乗り越えていくのかがコミカルに描かれており、特に両親の思い切りの良さや何とかなるさ精神、どんな状況でも楽しんでしまうポジティブさには感動すら感じる。

 本書は、4歳児の視点から描かれるユニークなトラベルエッセイであり、家族で旅を楽しむためのノウハウが詰まっている。笑いあり、驚きありのこの作品は、冒険を夢見るすべての人におすすめしたい一冊である。

文=ネゴト / ニャム

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