「浮気現場を覗いた」と理不尽に責められ、婚約破棄に。傷つきどん底にいた私を救ってくれたのは…
PR 公開日:2024/9/24
総合電子書籍ストア「コミックシーモア」が展開する、「電子コミック大賞2025」にエントリーしている異世界恋愛マンガ『甘いお菓子の後は甘い溺愛を~婚約破棄された令嬢は辺境伯子息に溺愛される~』(七生/DPNブックス)は、主人公・リシェルが婚約者・フィリップから婚約破棄を告げられる衝撃的なシーンから物語がはじまる。
リシェルは、貴族の令嬢ながらお菓子作りが好きな少女。2カ月ぶりの婚約者とのお茶会のため、心を込めて作ったケーキを持参する心優しい性格だ。だが、久しぶりに会えた婚約者の隣にはなぜか見知らぬ女性・キャロリーヌの姿が。さらには、フィリップの腕に絡みつくように身を寄せていたのだ。
誰がどう見てもただならぬ関係の男女に見えるだろう。しかし、あくまでふたりは「仕事の関係」だと言い張ってくる。その主張のおかしさに気づきながらも、リシェルはフィリップを信じてお茶会を後にするのだった。
「仕事が忙しいから」と言われ、会えなくなってから3カ月。キャロリーヌの存在もあり、もやもやと思い悩んでいたリシェルは、フィリップの仕事場である王城にリンゴのパイを差し入れることに。そうして訪れた王城で、兄の友人で辺境伯子息・サイファートとぶつかってしまい、ひょんなことから自作のお菓子を食べてもらうことになる。
日々忙しく顔色が悪すぎるサイファートだったが、リシェルのお菓子をひと口食べると思わず「美味しい」と感想をこぼした。日ごろ良い物を食べ慣れている貴族が心から言うのだから、きっとものすごく美味しいのだろう。キャラクターのイラストだけでなく、リシェルが作るお菓子が美味しそうに見えるのも、本作の魅力の1つではないだろうか。
そんな出会いを経て、目的地にたどり着くも、リシェルの目に入って来たのはフィリップとキャロリーヌがキスをしている姿だった。職場で堂々と浮気をする人間など、今すぐクビになってしまえばいいのに――。そんな怒りを感じる一方で、健気にお菓子を差し入れにきたリシェルの気持ちを想像すると胸が痛む。
だが、このふたりは浮気したことを開き直るだけでなく、むしろ覗き見たリシェルが悪いと責め立ててくるのだ。どんな教育を受ければここまで最低な発言ができるのか…あまりのクズ発言に呆れてしまうのも束の間、フィリップはリシェルが作ったお菓子のかごを蹴り飛ばしたのだ。どう見ても浮気カップルの方が悪いのに、リシェルは2対1で追い詰められてしまう。そんな理不尽な状況でも言い返せないリシェルのもとに、救世主が訪れる――!
颯爽と現れたサイファートがリシェルのことを庇ってくれたのだ。こんなに格好良いヒーローの登場があるだろうか。ヒロインのピンチに駆けつけ、貴族令嬢としての体裁も心も守ってくれるなんて。正論で浮気カップルをやり込めたうえ、リシェルのお菓子を「思いやりで作られた優しい味がする」と褒めてくれるのだ。
恋のはじまりにふさわしすぎる展開に、そこら中からファンファーレの鐘の音が聞こえてきそうだ。全肯定で助けてくれるヒーローと、健気で思いやりあふれるヒロインの恋の物語より楽しいものはないだろう。さらに、相手の不貞行為により婚約解消するのだから、これからふたりが愛を育むための障害もなくなっているのも最高だ。
小さく芽生えているであろうふたりの恋心は、一体どんな物語を紡いでいくのだろうか。温かく優しく思いやり合うふたりに、とびきり幸せな未来が訪れることを心から祈りながら、その行く末を見守り続けたい。