【石井ゆかりさんが占う2025年】2024年から2026年までは「時代の節目」。終わりと始まりが混ざる、嵐のような時間
PR 更新日:2024/11/26
今年も石井ゆかりさんの大人気シリーズ『星栞 2025年の星占い』『星ダイアリー』(ともに幻冬舎コミックス)の最新版が登場する季節となった。『星栞』は今年で通算16年目、『星ダイアリー』は今年で19年目となるロングセラーだが、著者の石井さんはどんな気持ちを込めて書かれているのだろう。新刊について、占いについて、そして気になる2025年について――石井さんにお話を伺った。
毎年最新版が出せるのは「当たり前」じゃない
――ロングセラーの同シリーズ、『星ダイアリー』の方は20年も近づいています。今、どんなお気持ちですか?
石井ゆかりさん(以下、石井):すごい! びっくり!! プロ野球のヒーローインタビューで「今、どんなお気持ちですか?」という問いかけがありますけど、あれと同じフレーズを自分が受けとることになるとは思いませんでした! すごくびっくりというか、興奮しました(笑)。8割方の選手がそういう時は「そうですね、」から始めるのですが、この前、阪神のゲラ選手も他は全部スペイン語なのに「そうですね」だけすごく自然な日本語で言っていたので二度見しました…すみません、話が脱線して。
で、ご質問の件ですが、そうですね、とても有り難く嬉しいです。出版不況の中で「紙の本」を出すハードルは社会的にずっと上がり続けているので、毎年出すことをまったく「当たり前」とは思っていません。とにかく今は、2025年度版を皆さんに手に取って頂くのが願いです。
――長年続ける中で変わったことはありますか?
石井:多分、あると思います。ただ、自分ではあまりわからないんです。若い頃書いたものを見ると「若書きだなぁ、勢いで書いているなぁ、未熟だなぁ」と冷や汗が出る反面、「すごくエモーショナルで、アツいなぁ」とも感じます。このパッションを愛してくださる方もいたのかな。今は少し穏やかになったんじゃないかと思います。年相応ということですね。
――「星を読み、文章にしていく」という上で常に意識していることはありますか?
石井:占いを手に取る時は、自分の社会的立場を少し離れたような意識で手に取るものだと思います。会社員だとか、人の親だとか、そういう社会的ポジションの外側で、ひとりの「私」になって、占いを見る。そんな時に、どんな言葉にリアリティがあるのか、どんな表現や言い方があるのかということを、ずっと考えています。
たとえば「今日は幸運でしょう」「明日は運気が少しダウン」というのは、かなり解像度の低い表現です。占いコンテンツは大抵文字数の制限があるので、こうした表現にならざるを得ない場合も多いです。でも、そこでも、なんとかその占いから思い浮かぶ風景の解像度を上げたい。生活を語る言葉を増やしたい。
人が生活の中で心の中で呟くモノローグ、たとえば「今日は雨が降っている、湿度が高くて、身体にまとわりつくようで、気持ちも息苦しい。なにかさわやかなものがほしい」というのを、ただ「ダルい」と言ってしまうこともできるんです。「でも、そうしないために占いを使えないか?」というのが、最近の私の気持ちなのかなと思います。まあ、できているかと言えば、なかなか難しいんですが。