夫婦で育児の方針が違って悩む…。「脳科学×心理学」で子育ての悩みを解決! “親も子も幸せになれる育児の極意8選”
PR 公開日:2024/9/28
我が子には、幸せになってほしい。親になると、そんな温かい気持ちが湧いてくる。だが、「幸せ」は、明確な基準がない曖昧なもの。親が良かれと思ってしていることが子どもにとっては負担になることもある。
そうした悲劇を避けるには、子どもにとっての「本当の幸せ」を理解し、夫婦関係を見つめ直すことが大切だ。その時、役立つのが「脳科学×心理学」の観点から、親も子も幸せになれる育児の極意を綴った『パパもママも知っておきたい子どもが幸せになる「8つの極意」』(成田奈緒子:著 上岡勇二:著/産業編集センター)である。
著者の成田奈緒子氏は、小児科医。上岡勇二氏は臨床心理士だ。ふたりは「子育て科学アクシス」という事業を運営。医学や心理、教育の専門家として、子育てに悩む約7000人の家族をサポートしてきた。
ひと昔前とは違い、近年では父親も育児に参加するようになってきた。その変化は喜ばしいことだが、それゆえに、パートナーの育児のやり方を受け入れられなかったり、教育熱心すぎるパートナーに悩んだりするなどし、夫婦関係がギクシャクしてしまうことも少なくない。
本書では、そうした“現代の育児問題”を考慮しつつ、子育て方針の決め方や子どもの脳の育て方、親子がすれ違わないコミュニケーション法など、夫婦で共有しておきたいことを「8つの極意」として紹介している。
■夫婦間で育児の方針が違ってモヤモヤする…
夫婦間で子育ての方針が違って、苦しい。そんな悩みを抱える方は、子育てに関する3つの軸を夫婦間で決めるとよいという。例えば、以下のように。
・軸1:子どもの年齢に合わせて就寝時刻と起床時刻を決め、厳守する
・軸2:大怪我をしたり命を失ったりすることは自分にも他人にもしてはいけないと教える
・軸3:各家庭の家風や価値観に合わせて自由に決める(ただし勉強に関することはNG)
(例)お正月には親戚みんなで集まる、和室に置いてある壺には触らないなど
軸1は睡眠、軸2は命、に関すること。そして軸3は各家庭で決めることを推奨しているが、「思いやりを持つ」などの抽象的な概念を選ぶことは避けよう。なぜなら、そうしたものは個人の主観で基準が決まるものであるからだ。こうした軸があれば、夫婦間で「我が子を叱る基準」が認識でき、すれ違いにくくなる。
なお、著者いわく、3つの軸に反すること以外は子どもを叱らなくてもよく、夫婦で意見が違っても問題ないそう。最も大事な3つの軸さえ一貫していれば、子どもに悪影響はなく、むしろ「パパとママで意見が違うこともあるんだな」との学びに繋がるのだとか。ただし、どちらか一方の親を悪者にするのはNG。意見が違った時には夫婦でフォローし合おう。
■子どもの脳が育つのは「勉強」だけじゃない
我が子の脳を鍛えたいと思うと、勉強に目が向きやすい。だが、著者は子どもに家事の一部を任せることも“脳育て”になると話す。
慣れている人であれば家事は簡単に行えるものだが、子どもにとっては脳の前頭葉を使う複雑な作業。簡単そうに思える「ゴミ出し」も、ゴミ回収の曜日や時刻を確認し、ゴミを分別するなど作業工程が多く、難しく感じられるという。
そのため、任せる家事は子どもの年齢やスキルに応じて増やしていくのがポイント。「炊飯器のスイッチを押す」や「お風呂をわかす」などサボると家族が困るような内容を任せると、責任感の芽生えに繋がり、家族の一員として貢献できているという自信もつくという。なお、家事が遂行できた時は、オーバーに思えるほど褒めてあげることも大切だ。
また、著者は特に睡眠が脳育に繋がると指摘。子どもの脳が育つのは眠っている間であるからこそ、年齢に合った睡眠時間を確保し、質の良い睡眠時間を取らせることが大切だともアドバイスしている。
本書ではグラフを用いて、年齢別の必要な睡眠時間や睡眠のメカニズムを詳しく説明しているので、参考にしながら生活リズムを整えてほしい。
他にも著者は、共働き夫婦が悩みやすい「我が子の発熱時の対応」や夫婦のどちらかが教育費にお金をかけすぎる問題など、子育てをする上であるあるな悩みを解決するヒントも公開。
それらを受け止めると、子どもをひとりの人間として尊重しながら愛すとはどういうことなのか、縁あって一緒になれたパートナーと穏やかに子育てをしていくには、どうしたらいいのかと考えさせられる。
悩みだらけの育児を変えるきっかけとなる本書、子育て世代はぜひ一家に一冊備えてほしい。
文=古川諭香