災害で水道が止まってもトイレは我慢できない! 非常時トイレの簡単な作り方は? 意外と知らない「おうち防災術」で南海トラフ地震や台風に備える

暮らし

PR 公開日:2024/10/5

おうち避難のためのマンガ防災図鑑"
おうち避難のためのマンガ防災図鑑』(草野かおる/飛鳥新社)

 南海トラフ地震や台風の影響で見直されている「防災」。最近は避難所の過密状態を避けるためにも、在宅避難などの「分散型避難」が推奨されているとか。『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』(草野かおる/飛鳥新社)には、自分でできる“半径5メートル”の防災アイデアやアイテムなどが紹介されています。

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停電でトイレも電子マネーも使えない…

おうち避難のためのマンガ防災図鑑

 意外と盲点になりやすいのが、ゲリラ豪雨や雷で発生しやすい「停電」。もし何時間も続くとしたら…。

 停電になると家電はおろか、普段便利に使っているものがいろいろ使えない! お店で電子マネーが使えず買い物ができないし、インターホンが鳴らないから家族が帰ってきても気づかない。クレジットカードやオートロックのドア、電気で流れるトイレも使えず…。

 私たちの周りには電気があふれていることに改めて気づき、普段は便利だけど、防災の準備をしていないとさすがにマズイ…と思い知らされます。

ツナ缶やアルミホイルで明かりのアイデア

おうち避難のためのマンガ防災図鑑

 それに、あたり前ですが、電気がないと夜は真っ暗。ロウソクくらいは自宅にあるかもしれませんが、ロウソクの明かりは小さくて暗く、「テーブルがある場所の目印」くらいにしかならないとか。

 懐中電灯などの明かりがないときは、ツナ缶のオイルを燃やす、アルミホイルやティッシュなどを使った即席ランプを作るなどして、一時的に凌ぐことができるのだとか。ツナ缶は明かりとして使ったあとは食べられる…といった豆知識も、災害時や停電時には大いに役立ちそう。

 もう一つ、災害時にSNSで家族と連絡をとるなどして、強い味方となるスマホ。令和元年の房総半島台風では送電塔が倒壊し、電気の完全復旧までなんと16日間もかかったとか。電気を使わずに充電できる充電器の種類も本書でチェックしておきたいところ。

100均グッズでコスパ良く防災する

おうち避難のためのマンガ防災図鑑

 防災グッズを揃えると意外と高くついて、最低限に抑えたくなるものですが、100円で購入できる防災アイテムもたくさんあるようです。

 阪神・淡路大震災の死因の多くは、家屋や家具の倒壊による圧死。次に多かったのが、家具の転倒などによって逃げ遅れた焼死だといいます。家具の転倒防止には、100均の「転倒防止プレート」「滑り止めシート」「耐震ジェル」などが役立つとか。これならコストを抑えながら十分な対策ができるかもしれません。

災害中でもトイレは我慢できない!

おうち避難のためのマンガ防災図鑑

 トイレ編では、「トイレは我慢できない」という言葉にドキリ。仮設トイレが設置されるまでには3日ほどかかることが多く、「非常時トイレを自前で用意する」のが必須だとか。

 トイレ問題はメディアで目にする機会が多くはありませんが、阪神・淡路大震災では避難所のトイレが排泄物であふれ、床まで汚れていたそう…。本書には、簡単に用意できる非常時トイレ、子どもが安心できる即席トイレなどのアイデアが豊富に紹介され、家族や自宅の状況にあわせて準備できそうです。

命を守るために「在宅避難」でできること

おうち避難のためのマンガ防災図鑑

 そのほか、からだを清潔に保つ自作シャワー、地震が起きたらまずすること、被災で公的支援金を受け取るための準備など、災害にまつわるあらゆる情報やアイデアが、マンガとイラストでわかりやすく紹介されています。

 読み終えて思うのは、備えはあれば良し、というより、備えがないとマズイということ。そして避難所がホテルではないように、自分の命や、家族の命は、最終的には自分で守るしかないということでした。また、工夫をすれば防災は自分でもできるし、コスパ良くすることも可能。自分に合った「おうち防災」で、災害への不安を安心に変えていきたいものですね。

文=吉田あき

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