ホラー小説は今、盛り上がっている!? 初心者は何を読むべき? 「ホラー小説の楽しみ方」をホラー小説編集者に聞いてみた

文芸・カルチャー

公開日:2024/10/5

すべての道は角川ホラー文庫に通じる?

――最後に、皆さんからホラー小説初心者に向けてアドバイスをお願いします。

伊藤:小説に限らず、どんなメディアでもかまいません。興味を持ったホラー作品を起点にどんどん深く探っていただければと思います。例えば映画『バイオハザード』が好きなら、ゾンビホラーを深掘りしていくと、外でゾンビが暴れ回るのが好きなのか、建物などの閉鎖された場所のほうが恐怖を感じるのか、ゾンビを軸にした人間模様に惹かれるのか、自分の好みがわかってくるはず。そうやって好きなものを突き詰めていくと、いつかはすべて観尽くして、観るものがなくなっていくはずです。そうなったら、今度はホラー小説にも挑戦していただけたら。そもそも小説から映像やゲームになった作品も多いですし、無尽蔵にジャンルが広がっています。好きなものから入ってもらえたら、いずれは角川ホラー文庫にたどりつきます(笑)。

今井:すべての道は角川ホラー文庫に通ず、ですね(笑)。私のおすすめは、やっぱり澤村伊智さん。『ぼぎわんが、来る』は中編で構成されているので読みやすく、キャラクター小説としての面白さ、お化けの怖さ、人間の怖さなどすべてが詰まっています。

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 いきなり長編は読めないという方は、乙一さんが山白朝子さん名義で書かれた短編集『私の頭が正常であったなら』(KADOKAWA)はいかがでしょうか。切なさもある怪談で、しっかり怖さもあります。グロいもの、ホラーっぽいものは苦手な方にも読みやすい作品なので、すごくおすすめです。

『私の頭が正常であったなら』(山白朝子/KADOKAWA)
私の頭が正常であったなら』(山白朝子/KADOKAWA)

藤田:僕としては、やっぱりアンソロジーがおすすめですね。短編で読みやすく、いろいろな怖さに触れられるので。まずは好きな作品、作家さんを見つけていただけたら。

菰田:私はミステリ的な仕掛けもあって入りやすい、三津田信三さんをおすすめしたいです。私が好きなのは『蛇棺葬』。好きな作家、作品から入り、ホラーの終着点として角川ホラー文庫にたどりついてください(笑)。

――角川ホラー文庫は30周年を迎えました。今後の展望をお聞かせください。

藤田:12月にはアンソロジー第3弾『慄く』が控えていますし、アンソロジーの特装版BOXも制作中です。こちらもぜひ楽しみにしてください。角川ホラー文庫の黒い棚を探したら、面白いホラー小説に必ず出会えるという状況はすでに作れていると思います。その期待に応えられるよう、今後も面白くて怖い本を作り続けていきたいと思います。ホラーの幅広さ、奥深さは損なわず、40周年を目指して頑張っていきたいですね。

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