初音ミク、重音テトによるニコニコ復活を祝福する1曲『ノシノシ』ボカロP・原口沙輔が贈るニコニコへの音楽プレゼント
更新日:2024/10/12
2024年6月に起きた、KADOKAWAへのサイバー攻撃。
その影響を受けニコニコ動画は約2か月間のサービス停止を余儀なくされたが、多くのスタッフの献身によって、8月初旬に無事復活を遂げることができた。
「ぼかえり2024夏」などのイベントでも、大勢のボカロPによるニコニコへの「おかえりなさい」「復活ありがとう」という気持ちを込めた楽曲が登場。
今回ピックアップするのはそんなニコニコ愛の込められた曲の中でも、特に大きな注目を浴びた原口沙輔による「ノシノシ」だ。
文/曽我美なつめ
ニコニコ復活に際して行われた「ニコニコ超復活祭」生放送中に先行公開された本曲。
関係者によれば、復活に際してのコメントを依頼したところ、本楽曲の提出にて答えてくれたとのこと。
栗田氏も生放送中に、音楽で表現してくれるなんて本当にかっこいい!とコメントしていた。
楽曲には注目ポイントも満載。何よりも特筆すべきは、やはり細部まで作り込まれた「ニコニコ愛」に満ちた歌詞だろう。
ニコニコが主催するリアルイベントである、ニコニコ超会議や闘会議にまつわる漢字表記や、現在のニコニコ代表・くりたしげたか氏にまつわる「栗」の漢字表記。
また動画も併せて見てみると、冒頭から歌詞に合わせニコニコ本社爆破ネタまで仕込まれていたり、最後には表記された歌詞が右から左へコメントのように流れていったり。
動画で曲を楽しむからこその、手の込んだ細かい遊び心も散見される。
これまで「人マニア」「イガク」をはじめとした、数々の重音テト楽曲で今に至る絶大な人気を獲得し、その点では現在の重音テトブームの先駆者とも言える原口沙輔。
だが実は、これまで彼が使っていた重音テトは古き良きUTAU版のみとなる。
生まれ変わったSynthesizer V版の重音テトを彼が使うのは今作が初めてとなるため、その点も聴きどころとなるポイントだ。
タイトル「ノシノシ」はインターネットに馴染み深い人であればもはや説明不要だが、カタカナの見た目が人が手を振っている様子に見えるAA(アスキーアート)を発祥とする。
「バイバイ」「じゃあね」のような別れの意味合いで使われることも多いが、ニコニコなどでは単純に挨拶の意で使われることも多い。
未曽有の危機から、不死鳥の如く復活を果たしたニコニコ動画。愛すべき遊び場の帰還を、大手を振って喜びながら歓迎するたくさんのユーザーたち。
この曲題からそんな光景を想像した人も、もしかしたら多いのではないだろうか。
大勢のニコニコ愛を、まさに代弁してくれていると言っても過言ではない本曲。
そう感じるのは何よりも、作り手である原口沙輔自身のニコニコ愛が曲の随所からにじみ出ているからに違いない。
ニコニコ動画もVOCALOIDも、その歴史はまだまだ続いていくのだ。これまでも、これからも、きっとずっと。
■infomation
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