新進気鋭のエコノミストと東大卒のプロポーカープレイヤーが語る、ポーカーと投資の意外な共通点とは
公開日:2024/10/18
世界的な人気を誇り、その波が日本にも来ているカードゲームをご存知だろうか。それは「ポーカー」である。「ただのカードゲームだ」と思っている方は、ぜひ本記事を最後まで読んでいただきたい。その考えが覆ることになるだろう――。
『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(エミン・ユルマズ、木原直哉/KADOKAWA)によると、ポーカーにおける確率論やリスク・リターンの概念を学ぶことは、投資をする際の武器になるという。すなわちポーカーは「投資のゲーム」でもあるのだ。本書では、プロポーカープレイヤーである木原直哉氏とエコノミストのエミン・ユルマズ氏が、投資とポーカーの共通点に着目し、注目銘柄や投資術、バリュー株の見極め方など、幅広い内容について討論している。
その中から本記事では、意外と気がつかない「ポーカー」と「投資」の共通点について紹介する。
株とポーカーの共通点「スキルと運、双方の要素がある」
木原:ポーカーは必ずしも強い人が勝つとは限らなくて、初心者や強くない人が勝つこともよくあります。将棋だったら初心者がプロに100回勝負を挑んでも1回も勝てませんが、ポーカーだったらトーナメントでトッププロを飛ばすなんて日常茶飯事だし、運に恵まれれば一晩単位のキャッシュゲームでトッププロに勝つことだって十分可能なんです。だからこそ盛り上がるし、面白い。
エミン:株も同じですね。特別な知識を持たない人がたまたま大儲けしちゃうことはあるし、堅実に増やしていくこともできる。だからいろんな人が参加してくるわけです。
うまい人しか勝てない世界なら、こんなに盛り上がらないよね。
だからといって、運に100%依存するわけではありません。もしそうなら、木原さんのようにポーカーで生計を立てる人や、専業の投資家というのは存在できませんからね。
木原:ポーカーでも株でも、瞬間的であれば手元のお金を10倍にする人はたくさんいますが、破綻することなく長期的に増やしていくとなるととても難しいでしょうね。
エミン:ポーカーも株もギャンブルだと思っている人は多いけど、長期的な成果はスキルに依存するので、ギャンブルとはいえないんですよ。運が巡ってきたときに、その幸運をうまく活用して利益を最大化できるかどうかは、スキルに大きく依存します。やっぱりスキルのない人は、運に恵まれたときでも大きくは勝てないことが多いんです。
他にも本書では、ポーカーから得た知見を投資に活かす術などが語られている。ポーカーも人生もベット(賭ける)するかフォールド(引く)するかの何気ない選択で、今後が左右する。この機にぜひポーカーにチャレンジしてみてはいかが?
文=茂木有芽