「カップヌードルをぶっつぶせ!」日清食品の驚くべき戦略とは? ブランディング戦略の基礎がサクッとわかる
PR 公開日:2024/10/22
「ブランド力」こそ、現代のマーケティングにおいて欠かせない要素とするのは書籍『サクッとわかる ビジネス教養 ブランディング』(田中洋:監修/新星出版社)だ。
ブランドの基礎から築き方まで、テキストと図解により分かりやすく伝える本書は「優れた技術や商品」があるとしても「強いブランドに転化しなかったならば、実際の意味を持ちません」と主張。本業、副業の垣根がなくなりつつある今こそ、必携の1冊だ。
瞬時に、顧客に「連想」させることがブランドの本質
ブランドの重要性は、大手ファストフードチェーン「マクドナルド」を考えると分かりやすい。その店名を聞けば、誰もが「店内の雰囲気や、ハンバーガーなどの商品」を連想できるように、顧客の心を瞬時に揺り動かせることこそが「ブランドの本質」だと、本書は述べている。
そもそもなぜ、現代でブランドに目を向けるべきなのか。理由は、時代の変化にある。
本書によると、現代は顧客にとっての「選ぶ基準」が必要な時代だという。リアルかオンラインかを問わず、顧客が様々なメーカーの商品やサービスにふれられる時代とあっては、提供する側が「手に取るための動機」を与えなければいけない。
その上では、表面的なロゴやデザインに頼らず、安易な価格競争にも巻き込まれることなく、ブランドの「アイデンティティ」を確立するのも重要だ。
本書の例にあるコーヒーチェーン大手のスターバックスが「1杯500円」のコーヒーを提供しながらも、より安価な缶コーヒーに勝てるのは「店内の雰囲気」や「接客態度」などで、そこでしか味わえない「価値」を生み出しているからだ。このように築き上げたブランドはやがて、企業にとって大きな「財産」になるという。
日清食品の驚くべき精神「カップヌードルをぶっつぶせ!」
広く知られるナショナルブランドの精神からも、学ぶべきことは多い。本書では全国のみならず、世界的にも名が知られる企業のブランディングについても、いくつか紹介している。
一例にある大手食品メーカーの日清食品は、いわずと知れたカップヌードルを看板商品に持つ大企業だ。しかし、本書によると「カップヌードルをぶっつぶせ!」が、ブランドのアイデンティティにあるとは驚く。
看板商品を否定するようなフレーズだが、そこには意図がある。かつて、新作のカップ麺を手がける社員から「この商品を発売すると、カップヌードルのシェアが減ってしまうので発売は避けたい」との声が上がったのを機に、経営者が「トップブランドへの甘え」を危惧して「カップヌードルを超える強いブランドを生み出す組織づくり」への転換を図ったプロセスは、老舗企業ならではのユニークな経緯だ。
以降で「他社に出し抜かれるくらいなら、自社内で競合したほうがいい」とする精神のもと、生まれたのが「ブランドファイト制度」である。チキンラーメン、ラ王、どん兵衛…など、各ブランド陣営が「別グループのブランドを使用して新商品を開発してもよい」という制度を導入した。
麺ではなく米を使った「カップヌードルごはん」もこの制度によって誕生したというが、新たな仕組みによって、各ブランドの販売戦略を主導する「ブランドマネージャー」が「自ブランドについてシビアに考え、既存ブランドの可能性を常に模索」する社内風土も根付いたという。
導入となる実例だけではなく、当事者に必要なブランド構築のプロセスまでもおさえているのも本書の特徴にある。手に取って行動に移したその日から、目の前のビジネスが一気に加速していくはずだ。
文=カネコシュウヘイ
◆新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
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