第17回「柚木さんちの四兄弟。」/鈴原希実のネガティブな性格がちょっとだけ明るくなる本

文芸・カルチャー

公開日:2024/10/23

鈴原希実

お仕事や日々の生活で心が疲れてしまったとき。
ほっこりした気持ちになりたいとき、ありませんか?

そんなときにおすすめしたいのが本日紹介する『柚木さんちの四兄弟。』です。

TVアニメ化もされている人気作品なので、ご存知の方もいらっしゃるのではないかなと思います。

私がこの作品を知ったきっかけは、作者である藤沢志月さんの作品が元々好きだったからです。
新作が出る度にチェックしており、今作も新連載が決まったタイミングからチェックしていました。

私が思う、藤沢さんの作品の1番の魅力は「温かさ」です。

温かさにも色んな種類があると思うのですが、私は藤沢さんの作品から「色合い・絵柄から溢れる温かさ」
と「登場人物の心の温かさ」の2つを特に感じるのです。

まず、「色合い・絵柄から溢れる温かさ」ですが、こちらは特に表紙を見ると分かりやすいのではないかと思います。

特に藤沢さんの最近の作品の表紙を見ると、水彩のようなグラデーションの色合いや淡い色使い、登場人物の目の印象や線画が柔らかい雰囲気であることが分かると思います。

私はこの藤沢さんの作品ならではの色合いと、ひと目見てわかる温かさのある雰囲気が大好きです。
もう表紙を見るだけで、凄く優しい作品なんだろうなというのが伝わってきますよね。

そしてもう1つが、「登場人物の心の温かさ」です。

先程絵柄から優しさが伝わってくるとお話したのですが、その期待を全く裏切らない登場人物の心の温かさも、藤沢さんの作品の魅力だと思います。

今回紹介する『柚木さんちの四兄弟。』は、タイトルにもある通り「家族」がテーマになった作品です。

一家の要である長男の隼、冷静沈着な次男の尊、元気いっぱいな三男の湊、ちょっぴり大人な四男の岳。
突然両親を亡くしてから、何とか4人で支え合ってきた柚木家の物語。
というのが今作のあらすじとなっています。

この作品を読んでいると私は、宮崎に住んでいた頃のことを思い出します。
私は昔から家族と一緒にいるのが本当に大好きだったので、毎日学校が終わったら一直線に自宅に帰っていましたし、ご飯もなるべく家族みんなで揃って食べたいと思っていました。

今でも久しぶりに家族に会えるとなるととても嬉しくて、家族は私にとって一緒にいて心が落ち着く大切な存在です。

そんな家族のことを思い出すような、全てを包み込んでくれるような温かさがこの作品の魅力だなと感じています。

心が少しささくれてしまっていたり、落ち込んでしまったりしている方。
そうでない方も、ぜひこの作品を読んでほっこりとした気持ちになってみてはいかがでしょうか?

鈴原希実イラスト

<第18回に続く>

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