食べっぷりのいい編集者が恋に落ちた相手はイケオジ料理研究家!『三ツ矢先生の計画的な餌付け。』

マンガ

公開日:2024/11/9

三ツ矢先生の計画的な餌付け。

 自分が作った料理を目の前で食べて「美味しい」と言ってくれて喜ばない人はいないだろう。『三ツ矢先生の計画的な餌付け。』(松本あやか/ぶんか社)は、料理を食べる楽しさ、食べてくれる人の存在の愛おしさを描くBL漫画だ。

advertisement

 異動により女性向け雑誌の編集部に配属された編集者の石田はある日、怪我をした担当編集者の担当代理としてコラムの原稿を受け取りに有名料理研究家・三ツ矢の家へ行く。そこで振る舞われた料理の美味しさと「明日も機嫌よぉ健康でいられますようにっていうおまじない 僕にとっての料理はそういうもんや」とにこやかに京言葉で料理観を語る三ツ矢の姿に感動して担当編集者としてのやる気と同時に恋心が芽生える。

 出会って間もなく胃袋と心を鷲掴みにされてしまう色んな意味で美味しい展開に読者としてキュンとし、石田の恋の進展と三ツ矢が次はどんな料理を披露してくれるのか毎話楽しみになりページを捲る手と食欲が湧き上がって止まらなくなってしまう。

 石田の食べっぷりは見ていて本当に気持ちがよく「また美味しいものを食べさせてあげたい」という想いが三ツ矢に湧いてくるのが理解できるし、どことなく元気な大型犬の様な雰囲気もあるからか「餌付け」という言葉がピッタリ。全2巻というコンパクトさでありながら、登場人物たちが恋愛関係にいたるまでを丁寧に描き切っており、ほっとさせてくれる。

 本作はBLに分類されているが、料理と食事シーンがメインの作風なので普段BLを読まない人でも楽しめるし、ヒューマンドラマとして性別や世代にかかわらず手に取って読んでもらいたい作品である。

 そして本作は2024年7月に実写ドラマ化もされている作品なので、ドラマを視聴済みで原作を未読の方にはドラマとはまたひと味違う三ツ矢先生の艶やかさを堪能してもらいたい。

文=ネゴト /

あわせて読みたい