INI木村柾哉、渡邉美穂&齊藤なぎさらで実写化! “魅せ方のプロ”のアイドルたちが魅せる映画『あたしの!』の見どころは?【映画レビュー】
公開日:2024/11/15
『ヒロイン失格』をはじめ、人気少女漫画家・幸田もも子の作品は実写化でも常に面白さ満点。その理由は原作自体がギャグ・感動・胸キュンのすべてにおいて最高だから、映像化した時もメリハリが出てくるところにあるといつも感じています。
そんな幸田作品の中で、「恋を取るか、友情を取るか」をテーマにした『あたしの!』(集英社)がこのたび実写化(11月8日公開)。主演は元日向坂46の渡邉美穂とINIのリーダーでもある木村柾哉が務めます。
あこ子と充希、どちらも応援したくなるキャラクター
渡邉演じるあこ子は高校2年生に進級、学校イチの人気者・直己(木村)が留年し同じクラスであることが判明します。ビジュアルだけでなく中身もイケメンな直己にすぐ恋をしたあこ子。小学校からの親友である充希(齊藤なぎさ)にそれを打ち明けつつ彼女の気持ちを聞くと、充希は「憧れと好きとは違う」と恋心を否定。それなのに怪しい行動を取る充希をあこ子は疑いはじめ、小3から続いたふたりの友情にヒビが入っていきます。
あこ子は直己へのアピールもいつも直球、すべてにおいて猪突猛進型。裏表がなくて一緒にいると楽しそうな、女子からも好かれる女子です。一方充希は「勉強してない」と言いながら結局いい点を取るような、一見友達にはしたくないタイプ。でも映画が進むにつれて、充希が自分の恋心を言葉にしないのは自分に自信がない、あこ子と争いたくないなど充希なりの理由があり、あこ子を出し抜こうとしていたわけではないことがわかります。直己に計算がバレたら一転、腹黒さを隠さないところも好印象。
初めての映画出演にして初主演という渡邉のフレッシュさが光る真っすぐすぎるあこ子。充希と自身は似ていないと言いつつも数多くの実写化作品に出演してきた齊藤の演技力が光る充希。演じるふたりの魅力もあって、どちらも応援したくなるキャラクターが出来上がっています
直己派? 成田派? 男子ふたりも魅力的
この物語のヒーローは直己。いつもクラスの中心だけど僻んでディスってくる男子にも優しいし、直球すぎるあこ子をいつも受け止めてくれる心の広さが素敵。その上、充希の計算高さにもすぐ気が付く恋愛面でも上級者というザ・幸田作品の王子様。演じる木村のキャラクターもあってか、実写版直己は漫画版よりもぽわぽわ感がアップしている印象。ばちっときめた胸キュンシーンとのギャップにやられます。そして漫画版では直己に勝るとも劣らない人気を持つのが直己の友人・成田(山中柔太朗)。成田は3人よりひとつ上の高校3年生ですが、なにかと4人で行動する間柄。あこ子は直己との関係に不安を感じるたび成田に泣きつくのですが、いつもめんどくさそうにあしらいながらも最後はなんだかんだ背中を押してくれる成田は沼。年上の包容力にやられます。
共感必至の友情物語がアツい
恋模様が中心と思いきや、あこ子と充希の絆が強く描かれるのも本作の良さ。いじめられていた充希をあこ子がかばったことからふたりの友情が始まったこともあり、充希にとってあこ子は憧れの存在。あこ子の中にも自分の方が先を走っている自負があり、あこ子が姉、充希が妹のような立場でふたりの関係は続いていきました。しかし成長するにつれて充希に追いつかれてきていると感じていたあこ子。そんな状態で保たれていたふたりの関係は、直己の登場で変化していきます。親友だけど、ちょっと“自分の方が勝っている”と思ってしまったり。そんな繊細な描写には共感する人も多いのではないでしょうか。
充希を演じる齊藤も元=LOVE、山中もM!LKとして活動中であり、メインキャラクターを演じる4人全員にアイドル経験があるのも本作の特徴。日々魅せ方を研究してきた4人だからこそのキラキラ感あふれる青春ストーリー。ぜひ映画館で浴びてみてください!
文=原智香
〈作品情報〉
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