阪田マリンエッセイ連載 第9回「はじめてのレコード喫茶」/時游性活~ネオ昭和の魅力~

文芸・カルチャー

公開日:2024/11/15

阪田マリンエッセイ連載

今は臨時休業されている(トホホ)、難波にあるレコード喫茶Graffitiのお話だ。

私は高校の頃、レコード喫茶の存在を知らなかったのだが、たまたま見ていたテレビでジャズ喫茶特集が組まれていて、どのテーブルも椅子もすべて正面向きで置かれており、みんな正面を向いてレコードでかかるJAZZを楽しんでいる、というVTRだった気がする。

それを見てすぐに「大阪? まだ残っている? レコードが聴ける喫茶店」と検索をかけたら、見つかったのだ!!レコード喫茶Graffitiが!!!

早速これは行くしかないと思ったのだが1人は不安だったので、高校の友達についてきてもらい緊張しながらいざ入店。看板には『6300枚レコードあります。39900曲聴けます』と書いてあり、興奮しすぎてサムイボが出た笑

店内は思っていたよりも広く、たくさんのレコードが壁に飾られており、若いカップルやおじさん、割と年齢関係なく、老若男女が座っていた気がする。若いカップルにも人気なのか〜、昭和ブームだなと。

「レコードプレーヤーをアンプにつないで、音を増幅させることでスピーカーから音楽を流しており、使用している真空管アンプはアメリカのオーディオ専門メーカーのものです」と説明をうけた気がする。さすが本格的だなぁ…。

1曲200円のリクエストシステムで、リクエスト方式なのがまたグー! だよなぁ。クゥゥたまらん。

辞書のような分厚すぎるレコードリストが机に置かれており、血眼で興奮しながら読んでいたら…松任谷由実コーナーみっけ〜!!!!!

あれもこれも聴きたいけど
お客さんが沢山いたから欲張らず
一曲を大切にリクエストしよう。

私はその当時(今もだが)ものすごい松任谷由実&荒井由実ブームだったので、大好きな「真珠のピアス」という曲をリクエストした。

紙に鉛筆でリクエストを書く(いちいち昭和だな〜笑)。それを店員さんに渡すと、順番が回ってきたら流してくれる。ソワソワソワソワ待っている間にも他の人がリクエストする曲を聞けるので、「あ、この昭和歌謡聞いたことなかったけどいい曲だな!ラッキー」
と、こんな風に新しい発見もできるのだ。なんて素晴らしい空間なのであろうか。

「真珠のピアス」が流れてきたのだが、家のレコードで聴くのとは訳が違う。まるで音符が宙を舞っているような臨場感と空気感。

曲に夢中になりすぎて、頼んだクリームソーダのアイスが溶けきっていたのを覚えている笑

「気になったことはSNSで調べて画像だけ見て満足するのではなく、実際に自分の足を運んで自分の目で見て、感じることがとても大切だ」と再確認した。しかし、また行きたいなぁ。次は1人でいけるぞ! だって大人だもの!

「真珠のピアス」ええ歌なので
知らない人は聴いてみてチョンマゲ。

阪田マリンエッセイ連載

<第10回に続く>

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