40代からでも自己肯定感は上がる!漫画家・森下えみこさんが45歳で手に入れた「いい感じのおばさん像」とは
PR 公開日:2024/11/29
30歳でコミックエッセイに応募し、35歳で会社を辞めてフリーランス、40歳で上京。時にはそれをコミックエッセイにまとめ、幅広い世代から共感を得てきたイラストレーター・漫画家の森下えみこさん。
そんな森下さんが約8年ぶりに自身の日常を描いたコミックエッセイ『45歳(独身)、どんな感じ?』(日本文芸社)は、まさしくファン待望の一冊。ただ、45歳の変化は以前のように大胆なものではなく、ゆっくり、じわじわと、森下さんのもとに訪れているようだ。
●45歳の心は凪のように穏やか
森下さんはひとりでよくお出かけをする。たとえば、クリスマスのイルミネーションをひとりで見に行くこともあるそうだ。30代のクリスマスは1人なのを気にしてこそこそ帰っていたが、今では「楽しそうなカップルもクリスマスの光景の一部」に見えているらしい。
インスタの夜景の投稿を見た編集者から「付き合ってる人いらっしゃるんですか?」と聞かれ、そうした自身の変化に気づいたという。若い編集者にすれば、クリスマスにひとりで夜景を見に行くのは想定外かもしれない。しかし森下さんは、周りのカップルを気にするより自分が楽しむことが優先だし、カップルに嫉妬することもない。45歳の心は凪のように穏やかだ。これが心の余裕というものだろうか。
●45歳の新たな自己肯定感って?
世間では、年を重ねると「何を着ても似合わない。おばさんっぽい」とファッション迷子になる人が多いという。45歳の森下さんの場合、その境地を超えている。服を試着して「おばさんぽい」と思うものの、「そもそも自分がおばさん体型だから、何着てもおばさんぽくなるわけよ」と当然のように受け止めているのだ。そこにもう迷いはない。まさに悟りの境地。
しまいには「おばさんでいい=私はおばさん=私でいい」という新たな自己肯定感まで生まれたそうな。若作りもいいけれど、おばさんを恥じることなく街を歩き、楽しそうなカップルたちをほのぼのと見つめる森下さんの姿の、なんと愛おしいことよ。周りの人たちまでほのぼのとしてしまいそうだ。
●おばさんとして気持ちよく生きる
おばさんになるのはイヤ、怖い、という若い人たちはたくさんいるだろう。森下さんもかつてはそうだった。たしかに、肌のハリはなくなるし、白髪が増えて、疲れやすくもなる。けれど、経験を積んで自信と知識を蓄え、時間が過ぎればつらいこともある程度乗り越えられることを学び、自分自身の好きも苦手も知り尽くした“おばさん”こと森下さんは、何ごとにおいても、自分にとって“ちょうどいいところ”を見つけていく。
実体験をもって描かれた「いいおばさん像」に、“おばさんになるのも悪くない”と感じる人は少なくないだろう。
もちろん全員がそうだとは思わないが、おばさんになるとは、己を知り、自分サイズの誇りを持って、心地よく生きることなのかもしれない。自己肯定感が低いと言われる日本人は、もっと“おばさん化”して、気持ちよく生きてもいいのではないだろうか。
“おばさんのひとり暮らしもアリかな”と思えるような、森下さんらしいほんわか感のあるラストにも注目だ。
文=吉田あき