実写映画が話題の傑作ホラーから考察要素満載のサスペンスホラーまで! 注目のホラーマンガ7選

マンガ

公開日:2024/11/30

 ホラー作品といえば、一昔前はニッチなジャンルのひとつだった。しかし近年は、モキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)ホラーの小説やホラー系脱出ゲーム『8番出口』などが大きな注目を集め、一大ブームを巻き起こしている。

 もちろんホラー系のマンガ作品も例外ではない。今年映画化されて注目を集めた話題作や、名ホラー小説のコミカライズ版など、秋の夜長に読みたいホラーマンガが目白押しだ。その中から選りすぐりの7作品をピックアップ。身の毛もよだつホラーマンガを楽しんでみてはいかがだろうか。

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実写映画化が話題! 押切蓮介の傑作ホラー『サユリ』

サユリ 完全版
サユリ 完全版』(押切蓮介/幻冬舎コミックス)

 今年実写映画化されて大きな話題を呼んだ押切蓮介氏の『サユリ 完全版』(幻冬舎コミックス)。マンガファンの間でも「ホラー作品に求められるすべての要素が詰め込まれている」「ただ怖いだけじゃない新しいホラー」など、かなり高い評価を集めている作品だ。

 夢の一戸建てマイホームへと引っ越した神木家。しかし、家族7人揃ってのありふれた幸せを満喫する間もなく、次々と不幸で不気味な出来事が一家に降りかかる。悲劇を引き起こしたのは、この家に棲む“少女の怨念”。ひとり、またひとりと家族が死んでいく中、残された少年と老婆の逆襲が始まるが――。

 ショッキングな描写が多い一方で、各所にさまざまな伏線がちりばめられているため、怖くてもページをめくる手が止まらなくなってしまうかも……。

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テレビアニメ化決定! ホラー青春譚『光が死んだ夏』

光が死んだ夏
光が死んだ夏』(モクモクれん/KADOKAWA)

『光が死んだ夏』(モクモクれん/KADOKAWA)は、ある集落で暮らすふたりの少年を中心に、彼らの周囲で巻き起こる不気味な出来事が描かれていく青春ホラー。テレビアニメ化も決定しており、今もっとも熱いホラー作品のひとつだ。

 よしきと光、同い年のふたりは幼馴染として育ってきた。しかしある時、よしきは光だと思っていた人物が別のナニカにすり替わっていたことに確信を持ってしまう。それでも一緒にいたい……。変わり果てた友人と過ごしていると、集落では奇妙な事件が起こり始めて――。

 同作の重要なポイントは、光にすり替わった“ナニカ”の正体を暴く物語ではないということ。既刊5巻と入りやすいタイミングなので、ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。

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謎が謎を呼ぶ! 考察がはかどるサスペンスホラー『N』

N
N』(くるむあくむ:原作、にことがめ:作画/KADOKAWA)

 基本的にホラー作品は、“謎”と“恐怖”がセットになっているもの。ちりばめられた伏線が回収された時には、ここまで恐怖に耐えてきて良かったと感慨深くなることもあるだろう。『N』(くるむあくむ:原作、にことがめ:作画/KADOKAWA)も、多くの人から「考察がはかどる」「早く真相が明らかになってほしい!」と大反響を集めている作品だ。

 男子中学生5名行方不明事件、小学校1クラス惨殺事件、自動車暴走2名死亡事故……。それらはまったく関係のない事件に思えるが、現場にはいずれも「N」の文字が残されていた。その主犯として、ある都市伝説が世間を賑わせる。一連の事件は、2000年前に崩壊したはずの宗教団体「N」が関係しているのではないか――。

 一体「N」とは何なのか、すべてのカギは「N」が握っているのか……。しかし「N」の正体が明らかになったとしても、それで事件の全容を掴めるとは限らない。むしろ謎が深まる部分もあるのだ。緻密に構成されたストーリー展開のため、考察好きな人にも刺さるはず!

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至極のオムニバスホラー『感受点』

感受点
感受点』(いつまちゃん:原作、文野紋:作画/小学館)

『来世ではちゃんとします』(集英社)のいつまちゃん氏と『ミューズの真髄』(KADOKAWA)の文野紋氏がタッグを組んだホラーマンガ『感受点』(小学館)。マンガ配信サービス「サイコミ」での連載時、「次の配信まで待てない」「早く続きが読みたくて震えてる」と読者を虜にした話題作だ。

 全12編のオムニバス形式で展開される同作は、コミックス1巻のみで気軽に手を出しやすいのも嬉しいポイント。かといって内容まで気軽なわけではない。1話読み終えるとすぐに次の話が読みたくなってしまう仕掛けが用意されているため、コミックスでまとめて読むのがオススメ。

 というのも、同作はオムニバスだが1話で完結する物語ではない。第5話まで読めば点と点が繋がり、ある種の驚きが待ち受けているはず。やがて登場人物たちが交差していき、その先には……。日常が狂い始める“感覚”を、ぜひ味わってみてほしい。

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すべて実体験! トラウマ系心霊マンガ『憑きそい』

憑きそい
憑きそい』(山森めぐみ/扶桑社)

 2022年に刊行された『憑きそい』(山森めぐみ/扶桑社)は、イラストレーター兼占い師の山森めぐみ氏の実体験に基づく物語が描かれた短編集。元々は山森氏のインスタグラムで連載されていた作品で、その本格的な怖さからホラーファンの間で話題となった。2023年にはフジテレビの動画配信サービス「FOD」で実写ドラマ化され、多くの視聴者を恐怖のドン底に叩き落としている。

 山森氏は2人の子どもと夫と暮らす、ごく普通の主婦。しかし、なぜか他の人には視えないものが視えるという。線路に佇む怪しい影、首が“くしゃっと”曲がった赤ちゃんなどである。

 どうしようもなく怖いのだが、不思議と読み進めてしまう。そして読み終えた時には、また最初の物語に戻ってきてしまう……。なぜか病みつきになる、後味の悪い作品集だ。

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モキュメンタリーブームの火付け役! 超話題作のコミカライズ『近畿地方のある場所について』

近畿地方のある場所について
近畿地方のある場所について』(背筋:原作、碓井ツカサ:漫画/KADOKAWA)

 近年のモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)ブームの火付け役となった背筋氏の小説『近畿地方のある場所について』(背筋:原作、碓井ツカサ:漫画/KADOKAWA)。同作はリアリティのある構成と巧みな表現で好評を博し、累計発行部数20万部超えの大ヒットを記録した。

 そんな話題作のコミカライズ版が登場。物語は、友人の小沢が行方不明になるところから始まる。オカルト雑誌の編集者だった彼は失踪する前、ある地域にまつわる怪談を取材していた。過去の雑誌記事からの引用、読者からのおかしな体験談、インターネット掲示板の書き込み……。小沢の足取りを追うため彼が収集していた資料を読み解いていくと、別々の怪談として扱われていたそれらには、ある繋がりが浮かび上がってくるのだった――。

 コミカライズによって同作の独特な不気味さがよりリアルに伝わってくるため、すでに原作を読んでいるという人も改めて楽しめるはず。これをきっかけに、モキュメンタリーの世界へ飛び込んでみよう。

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若手編集者×怪奇小説家のドタバタホラー『シャラクナ~怪奇心霊見聞録~』

シャラクナ~怪奇心霊見聞録~
シャラクナ~怪奇心霊見聞録~』(長乃あきら/KADOKAWA)

 イラストレーターとしても活躍する長乃あきら氏の『シャラクナ~怪奇心霊見聞録~』(長乃あきら/KADOKAWA)は、本格的なホラー作品が苦手な人にオススメしたい作品。怪奇小説家の写楽と、若手編集マンの和兎がさまざまな怪異に立ち向かう、いわゆる“バディもの”である。

 怖いものが気絶するほど苦手な若手編集者の和兎は、不運にも怪奇小説家の写楽を担当することになってしまう。写楽は怪談のネタを集めるために怪異や幽霊のウワサが立つ場所へ出向き、和兎はイヤイヤ付き合わされるハメに。どう見ても相性最悪なふたりだが、取材を重ねていくうちにバディとして信頼関係と絆を育んでいくのだった――。

 緊迫する場面もあるものの、基本的にはほんわかとした雰囲気が漂う『シャラクナ~怪奇心霊見聞録~』。一度読んだらきっと、ふたりのことが忘れられなくなってしまうかもしれない。

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 怖い怖いと思いながらも、ついつい読みたくなってしまうホラーマンガ。たまには恐怖に包まれながら、眠れない夜を過ごしてみるのはいかがだろうか……。

文=ハララ書房

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