「ガザ侵攻」勃発の経緯がまるっとわかる! 池上彰がおくる教養書『歴史で読み解く!世界情勢のきほん 中東編』リリース
公開日:2024/12/11
2023年10月、パレスチナのガザ地区にてイスラエル軍とイスラム組織・ハマスによる戦闘(ガザ侵攻)が始まった。それから1年が経った今でも戦争は止まらず、年間の死者が4万人を超えるなど深刻化している。なぜそんな悲劇が起こってしまったのか、その歴史的背景を知りたい人にオススメなのが、2024年12月11日にリリースされた『歴史で読み解く!世界情勢のきほん 中東編』(ポプラ社)だ。
「歴史で読み解く!世界情勢のきほん」シリーズは、ニュース解説番組でお馴染みのジャーナリスト・池上彰氏が、歴史や地政学の観点から各国の思惑を紐解いていく教養書。2023年10月に刊行された1冊目では、ロシアやアメリカをはじめとした国々の歴史と情勢の移ろいを解説していた。
そして2冊目となる今作では、中東情勢にフォーカスしていく。中東といえば、砂漠やラクダ、あるいは石油や天然ガスの輸出国といったイメージが強いはず。しかし、この地域に関する歴史や情勢について、深く知らない人も多いかもしれない。
その要因のひとつとなっているのが、情勢の複雑さだ。特に「ガザ侵攻」の禍中にあるパレスチナとイスラエルによる対立がその象徴であり、紐解いていくためには2000年前に歴史を遡らなければならない。
イスラエルがパレスチナと呼ばれる地域に建国されたのは、1948年のこと。ローマ帝国時代から迫害されてきたユダヤ人はアドルフ・ヒトラーによる虐殺を皮切りに、かつて王国が存在したとされるパレスチナへの帰還を目指す「シオニズム運動」を活発化させる。そして国連決議を経て、かの地にイスラエルの建国を宣言した。
しかし、すでに根を下ろしていたパレスチナ人はこれに反発。建国された翌日に周辺のアラブ諸国がイスラエルに攻め込み、第1次中東戦争が勃発した。ユダヤ人は二度と迫害されないために、パレスチナ人は自らの地を守るために……。そんな思惑から対立関係が始まり、ガザ侵攻の要因でもある「パレスチナ問題」が今日まで続いているのだという。
歴史的背景をはじめに、同書では中東情勢が複雑化した経緯や周辺諸国の動向についても解説。さらに中東を深く知るために欠かせないユダヤ教・キリスト教・イスラム教の基本も押さえている。この1冊を読めば、なぜ「パレスチナ問題」が“世界で最も解決が困難”と言われているのか、そして今後世界で何が起こり得るのかを学べるはずだ。
日本のニュース番組でも広く報道されているように、中東の情勢は決して対岸の火事ではない。日本人は何に備えるべきなのか、そのヒントを掴むために同書を一読してみてはいかがだろうか。