お正月飾りを飾ってはいけない日は? 意味や飾る期間など基礎知識をおさらい【お正月飾りのしきたり】/お正月のしきたり・マナー

暮らし

公開日:2024/12/8

お正月のしきたり

 家の前に飾る門松や、玄関に掛けるしめ縄、部屋にお供えする鏡餅などのお正月飾りは、新年の始まりに歳神様を迎えるためのものといわれています。気持ちよくお迎えするために、正しく飾るタイミングや場所などを心に留めておきたいですよね。「大人の品格マナー」の講師である末永貴美子さんに【お正月飾りのしきたり】を聞きました。

お正月飾りはいつからいつまで?

 お正月飾りは「正月事始め」や「松迎え」といわれる12月13日以降、12月28日までに飾り、「松の内」が終わった後に下げます。松の内は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされることが多いようです。

飾るのに避けたほうがいい日は?

 飾り始めに避けたほうがいいといわれるのは、12月29日と31日です。29日は「二重苦」になるから。31日は、歳神様を迎えるにあたり、元日の1日前に飾るような急ごしらえでは失礼にあたるから、といわれています。

鏡餅を飾る意味、飾る場所は?

 鏡餅は、新年に歳神様を迎えるためのお供え物で、2段の餅には「福が重なる」「円満に年を重ねる」という意味があります。

 場所は、床の間があれば、床の間に飾りましょう。床の間というと、あまり馴染みがない人もいますが、和室の床を一段高くしたスペースで、掛け軸や花などが飾られるような場所です。

 床の間がない場合は、神聖な場所に飾ります。仏壇や神棚があれば理想的ですが、それ以外の場所でもかまいません。歳神様を迎えるためにきちんと整えてあるならば、その場所が“神聖な場所”になるでしょう。

鏡開きの方法は?

 歳神様を迎えるためにお供えした鏡餅は、「鏡開き」の日に割って食べるのが昔からの習慣でした。今では割って食べることが少なくなりましたが、昔と同じように「鏡開き」の日に下ろして食べるのが一般的です。鏡開きの日は地域によって異なりますが、1月11日が主流です。

門松としめ縄を飾る意味は? どこに置けばいい?

 お正月になると各家を回るという歳神様。家の目印として門松を、歳神様を迎えるための神聖な場所の印としてしめ縄を飾ります。

 飾る場所は家の形態などによって異なりますが、何よりも大事なのは「歳神様を気持ちよくお迎えしたい」という気持ちです。その場をきちんと整えてから飾ることを心がけましょう。大掃除の後に飾るのも良いと思います。

お正月飾りを処分するには?

 お正月飾りなどを持ち寄って燃やす「どんど焼き」は各地で行われています。どんど焼きは、歳神様を見送る火祭りともいわれ、お正月飾りをはじめ、お守りやだるま、おみくじ、のし袋などを持ち寄るのが一般的です。

 どんど焼きは、小正月の1月15日頃に神社などで行われます。忘れないように、近くの神社のどんど焼きの日程をあらかじめ調べておくのがいいですね。

 歳神様をお迎えすると、幸せな1年をもたらしてくれるといわれています。お正月飾りの知識を身につけて、幸多き1年を迎えませんか?

取材・文=吉田あき

<第3回に続く>

あわせて読みたい

末永貴美子(すえながきみこ)
日本庭園を有する800坪の屋敷で、実業家の祖父と茶道家の祖母の影響を受けて育つ。日本の文化や文学に興味を持ち、着物についても深く学ぶ。一般企業に勤めたのち、心理学やパートナーシップ、美容などさまざまな分野を学び、多くの人と出会う中で内側からにじみ出る品格、美しさを一生かけて追求したいと考えるようになり、品格のある女性になるためのマナースクール「美礼塾」を立ち上げる。テーブルマナーを中心に発信するInstagramやLINEセミナーも人気。著書は『ふだんのふるまい帖 ふつうに生きているだけで、一目置かれるひとになる』(KADOKAWA)。
Instagram:@kimiko.suenaga