これを初めに読めばよかった…… 数多ある自己啓発書のエッセンスが凝縮された1冊
更新日:2016/3/14
「よし、自分磨きをするぞ」と、有名な自己啓発書を手に取ったはいいが、その情報量の多さと本の厚みに負けて、途中で読み切れずに諦めてしまった――そんな経験がある方も多いのではないだろうか。
偉人や著名な起業家の成功体験は面白いけれど、長くて難しい。頑張って読み終えても、「結局何をすればいいの?」と愕然とすることも多々ある。
しかし、『世界一カンタンな人生の変え方』(高田晋一/サンクチュアリ出版)なら、そんな悩みも解消される。「こんな自己啓発書を待ってました!」と手を叩きたくなるような一冊なのだ。
本書は数ある自己啓発書を読んできた著者が、「結局、何に取り組んだらいいのか?」というポイントをまとめ(その数は実に500を超えるとか)、さらにそれを「分析」し、「誰でもできる50の習慣」として本書にまとめている。
この50個の習慣を引用している書籍は、カーネギー、ナポレオン・ヒルなど、世界的に著名な自己啓発書から構成されていますので、この1冊を読むだけで、名著と呼ばれる自己啓発書の重要なポイントだけを手早く理解することができます。
……とのこと。なんてお得な一冊なのだろうか。
早速、いくつか「すぐに実践できる成功習慣」を紹介してみよう。
≪願いをかなえる習慣≫として、「ここ1か月でかなえたいことを紙に書き出そう」というものがある。これは『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル)という有名な書籍の中の「願望実現のための6箇条」から分析されている習慣だ。
「願望実現のための6箇条」というのは、以下の通り。
(1)実現したいと思う願望を「具体的に」させる。
(2)そのために差し出せる「代償」を決める。
(3)願望をかなえる「期限」を決める。
(4)願望実現のための詳細な「計画」をたてる。そしてすぐに行動に移る。
(5)「具体的願望」「代償」「期限」「計画」の4点を紙に書く。
(6)紙に書いた文章を毎日、起床直後と就寝直前に、この願望がかなったところをイメージしながら、大きな声で読む。
中でも、6番目の習慣が最も重要なのだとか。成功をイメージし、言い聞かせるように唱えることが一番大切なことなのかもしれない。
≪時間をムダにしない習慣≫としては、『やりたいことをやれ』(本田宗一郎)から学ぶことができる、「1日30分、『自分のための時間』を作ろう」というものがある。
ホンダの創業者、本田宗一郎は「1日24時間という限られた時間から、いかに人間が自由にできる時間を多く獲得するか」ということを重要視していたそうだ。
人は誰しもお金を稼ぐために働き、一生の大半を仕事に費やしている。それは人としての義務でもあり、世の中を回していくためには必要不可欠なことだ。
しかし、時間を大切にするためには、「自分の大切なこと・やりたいことに積極的に時間を投下する姿勢」が必要である。そのため、まずは一日30分、自分のための時間を作ること。それが「時間をムダにしない習慣」として大切なことだと著者は述べている。
次に、本当に簡単にできる習慣として「会話の終わりに相手の名前を呼ぼう」というものを紹介したい。これは≪人に好かれる習慣≫の1つ。
『人を動かす』のデール・カーネギーが述べているのが「相手の名前を覚える」「相手の名前を口にする」というポイント。ただ、日本人は他人の名前を呼ぶことが少ないかもしれない。そこで著者は会話の終わりに名前を付け加えることを提唱している。
「今日の会議は11時からですよね? ○○さん」
「本日はどうもありがとうございます。△△さん」
何気ない言葉の最後に、名前を付け加える。それだけで、相手との距離感を縮めることができるとか。確かに、名前を呼ばれると嬉しく感じるものだ。
その他には≪幸せな大富豪になる習慣≫「身近な人に1000円以内のプレゼントしよう」。≪人生の目標を決める習慣≫「墓石に刻む一文を考えてみよう」など、すぐにできる習慣が数多く紹介されている。
また、本書がまさしく至れり尽くせりなのは、50番目の、最後に書かれている習慣が≪読んで終わりにしない習慣≫なことである。
自己啓発書を読んでも、それだけで終わりにしてはもったいないが、たくさんの自己啓発書を読んできた著者だからこそ、「読んで終わり」に逃げてしまう気持ちも分かるのかもしれない。
「読んで終わり」にしないためには、「この本に書いてあったことを、まずは1つ実行しよう」とのこと。行動を起こすことが何よりも大切。まずはできることから、動き出してみよう。
文=雨野裾