東大生が一番読んでいる! 1日30分で大学4年分を学ぶ“バカ売れ”経済学入門書
更新日:2016/3/14
「日本のGDPが上がった(下がった)」「日銀がインフレターゲットを設定した」というニュースはよく見聞きするが、「実は意味を理解できていない…」「でも今更ひとに聞けない…」という人も多いのでは? そんな方に薦めたいのが『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』(井堀利宏/KADOKAWA)。東京大学の生協書籍部でバカ売れし、「東大生が1番読んでいる」経済学の入門書である。
著者の井堀利宏氏は東大・大学院の教壇で約20年間経済学を教えてきた。本書はその講義内容を「初めて経済学を学ぶ人向け」に解説したものだ。「ミクロ経済学」「マクロ経済学」の違いから始まり、「必ず知ってほしい」20項目を取り上げている。
たとえば、「家計、企業」が分析対象のミクロ経済学では、「家計の消費」「市場の機能と価格メカニズム」「所得分配の決まり方」などを、「国全体」が分析対象のマクロ経済学では「GDP(国内総生産)の決め方」「財政政策」「インフレとデフレ」など、経済を考える上でのあらゆる基本を抑えられるので、一冊で要点を把握することができる。
本書では、日常の経済行動のひとつとして買い物の例が取り上げられている。スーパーが2軒並んでいて、人参1本の値段が一方は100円、もう一方では50円だったら、たいていの人は50円の人参を選ぶだろう。だが、もし50円のスーパーが車で片道1時間かかる場所にあればわざわざ行こうとはしないだろう。
ある事を達成するために、限られた条件で一番安い買い物をするという行為も経済行動のひとつ。ミクロ経済学では、このような考え方をベースとした「家計での満足感」や、あるいは「企業の儲け」を分析。一方、マクロ経済学では「国民全体の経済の動き」に焦点が当てられる。
また、耳にするがよく知らない「物価指数」「モラル・ハザード」などの経済用語についてもわかりやすく解説されている。
本書は1項目を約30分で読むことができるのが大きなポイント。つまり10時間で大学4年分の内容をざっと学ぶことが可能なのだ。各項目には、パッと見て分かるイラストや図での解説が付いているので、より理解を深めることができる。
さらに「もっと時間を短縮したい」「難しいことは嫌」という人のために、「ココだけ!」マークがついている箇所だけ目を通せば、最低限の知識を身に付けることができる。
「数学がわからなくて経済学に挫折した人におすすめ」という本書は、「いちから勉強する気になれない」という人でも、気になる項目から基本をてっとり早く学ぶことができる仕様になっている。経済学の知識がますます必要とされるこの時代、ビジネスマンや大学生だけに関わらず、これから大学生になる人も持っておくと大変心強い一冊だ。
文=女生徒