「パンダはセックスが苦手」説はホント?ウソ? 動物たちの性生活を徹底的に観察した一冊が話題

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

 東京・台東区の上野動物園では、ジャイアントパンダの展示を2016年2月4日(木)で中止した。その理由はリーリーとシンシン、2頭のパンダに発情の兆候がみられ、発情期のピークが近いと判断したからである。

 地球上に約3,000頭しか生存していないと言われているパンダだが、なぜこんなにも減ってしまったのか。イギリスの大手新聞は「それはパンダはセックスが苦手だから」と書き立てた。それに異を唱え、パンダの弁護人となったのが『生きものたちの秘められた性生活』の著者であり、動物学を専門とするエッセイスト、ジュールズ・ハワードである。

同書の中でハワードは「パンダはセックスが苦手なわけではなく、あなたが見たことがあるどの動物と比べても、とくに遜色のない“自主参加率”を誇っている。すなわち10割。それどころか、世間一般の“得意”“不得意”の基準に照らすと、パンダはセックスがかなり“得意”な部類に入る気がする」と述べ、続けてその根拠を示し「パンダはセックスが苦手論」を反証している。

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“パンダの弁護人”となったジュールズ・ハワードが、「恐竜」「カエル」「マガモ」「トンボ」「フラミンゴ」「競走馬」など、ありとあらゆる動物たちの性生活を徹底的に観察し、その生態を克明に記録したものが、『生きものたちの秘められた性生活』だ。それはまさに、「動物たちの奇跡の世界を知る長い長い旅」。動物園のパンダはなぜ非公開にしなければならないのか。その理由も同書を手にすれば理解できるだろう。

 全宇宙でこんな奇跡が起こっているのはこの地球だけかもしれない。同書刊行後は日刊ゲンダイほか、各紙書評で取り上げられ、今話題になっている。また、電子書籍でも配信され、ジワジワと販売数を伸ばしている(2016年2月8日現在)。さあ、あなたも本書を片手に、ぜひこの「動物たちの奇跡を探す旅路」へと向かってほしい。そこには驚きと感動に満ちた「発見!」があるはずだ。

※上野動物園のパンダ展示の休止は2016年2月8日の状況です。

■『生きものたちの秘められた性生活
著:ジュールズ・ハワード
訳:中山宥
価格:1,900円(+税)
発売日:2015年11月20日(金)
発行:KADOKAWA