書店員が“世に出したい”作品を選ぶ「本のサナギ賞」第2回受賞作品決定!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

未発売の作品を書店員が審査・投票し、「世に出したい」作品を選ぶ「本のサナギ賞」。2016年2月16日(火)、「第2回 本のサナギ賞」の受賞作品が発表され、応募総数365作品の中から、大賞に『アメリカンレモネード』(百舌涼一著)、優秀賞には『顔のない悪魔』(今葷倍正弥著)が決定した。

大賞受賞作『アメリカンレモネード』
通勤途中に猛烈な便意を感じた「ボク」は、間一髪、駅のトイレにかけこむ。しかし、扉が開くと、便器にもたれて絶世の美女が眠っていた。酔っぱらうと記憶を失くしてしまう破天荒な彼女はボクに「ゲーリー」というあだ名をつけ、自らを「ナタリー」と名乗る。そして、いきなり「私の運命の人を探してほしい」と依頼してくる。その夜から、ナタリーいきつけのバー「おととい」で男漁りを見守ることになったゲーリーだが、彼女の前に現れるのは、変わった悩みを抱えた男たちばかり。果たしてゲーリーは、ナタリーの運命の男を見つけることができるのか…!

百舌涼一(もずりょういち)
1980年生まれ。大学卒業後、広告制作会社に就職。コピーライターを生業とする。

advertisement

言葉を扱う仕事をしていることもあって、「小説家」には理由なき憧れや羨望の念を抱いておりました。しかし、同時に自分なんかがなれるはずがない、という諦観もありました。ただ、頭の中には妄想にも似た物語たちがうじゃうじゃと。そのひとつを今回外に出してあげられてよかったです。審査をしてくださった書店員のみなさま、本当にありがとうございます。そして、まだ見ぬ読者のみなさま。読んでいただく日がくることを心からたのしみにしております。百舌涼一

<多くの書店員より、絶賛の声!> ※コメントは一部抜粋

ユーモアセンスといい、展開の面白さといい、大変楽しめましたジュンク堂書店松山店 海田良二

とにかくおもしろかった。最初の1ページからおもしろかった丸善横浜ポルタ店 柳幸子

読んでいて楽しい気分になれるって最高のことだと思うのです紀伊國屋書店徳島店 吉田咲子

テンポの良い文章を、きっちり回収される伏線。視点の入れ替えもスムーズ蔦屋書店熊本三年坂 山根芙美

<今後の予定>
●2016年4月:作家と審査員、編集者、デザイナー、営業担当、総勢約20人が集合し、直接意見を交える『アメリカンレモネード』大編集会議を開催。

●2016年夏頃:全国一般書店・WEB書店にて発売! デビュー作としては異例の初版2万部で大規模展開。

本のサナギ賞とは
2014年に出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンが設立した、作家・書店・出版社が一丸となって取り組む、エンタメ小説新人賞。本が大好きな「本の虫たち」、主に現役の書店員が、「この人の作品を世に出したい」と期待を込める作家を、「本のサナギ」として選考。大賞作は初版2万部にて書籍化し、「サナギ」から「チョウ」へ、すなわちベストセラー作品をめざす。

「第3回 本のサナギ賞」募集も2016年2月16日(火)より開始中! 『アメリカンレモネード』に続くのは、あなたの作品かもしれない。
⇒「本のサナギ賞」公式HP

第1回「本のサナギ賞」大賞滔々と紅
著:志坂圭
価格:1,620円(税込)
発売日:2015年2月26日
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。

img02

第1回「本のサナギ賞」優秀賞はるなつふゆと七福神
著:賽助
イラスト:ゆうこ
価格:1,620円(税込)
発売日:2015年8月27日
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

会社をクビになって途方に暮れていた榛名都冬(はるな つふゆ)のもとに突然現れたのは、七福神の老人コンビ、福禄寿と寿老人! 知名度が低いことを嘆く二柱に、ネットでのPR活動を頼まれた都冬。「……お二人の名を広めることができたら、私の願い事も叶えて貰えますか?」そうして、都冬と神様たちの可笑しな共同生活が始まった!