君は「すごいメモ」を知っているか? メモ一つで仕事のデキる人に早変わり!!

ビジネス

公開日:2016/3/8


『すごいメモ。』(小西利行/かんき出版)

 「メモをするのは、忘れないようにするため」「新人の時だけ」「メモするのってカッコ悪い」と思っている方、もったいないですよ! メモには単なる「備忘」ではなく、もっとすごい効能があるのです。

すごいメモ。』(小西利行/かんき出版)はまるまる一冊メモについて語っている異色の実用書。

 著者は有名コピーライターであり、CM制作、商品開発まで手掛けているトップクリエイター。サントリー「伊右衛門」、ライザップなどの、数々の名作CMやヒット商品を手掛けてきた実績の持ち主。「良質な」アイデアを「量産」できるのは、なんと「メモ」のおかげなのです!

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 そんな著者は、メモは「過去」のことを書いておくためではなく、「未来」に向けて書いておくものなのだと考えています。

 まず、メモには5つの役割があるのだとか。

(1)整理(仕事の条件や要点を整理する)
(2)設定(課題を見つける。目的を決める)
(3)考察(何が有効な解決策か考える)
(4)発見(新しいアイデアへたどり着く)
(5)指示(部下やチームに役割を伝える)

 それでは、本書の内容を少しだけ紹介してみましょう!

(1)整理
 書いたメモが最終的に「読めない」「分からない」のでは意味がありません。未来の自分が読んでも分かるように、○、☆、→などの記号を用いて、効果的なメモを残しておくことが大切。マンガの「吹き出し」を使ってみるのもOK!

(2)設定
 メモで設定? と思われるかもしれない。これは「ハードルメモ」という名前がついています。メモに「課題」を書き、それに対するアンサーを書き込んでいく。人はハードルがあり、それを「越える」というルールがあると発想がしやすい。

 ハードルを設定するのは簡単です。例えば「30代女性に売れる新商品をつくる」だったら「それは本当に、30代女性に売れる商品か?」と書き換えます。この意識を常に持ったままアイデアを着想すると、考えがブレないのです。

(3)考察
 考察に役立つのが「マンガメモ」。やり方は簡単です。会議の最中に出て来る意見を深めたい時、「3つの新しい技術を伝えてほしい」「とにかく新しくて安いと伝えたい」など、様々な意見を文字でメモしても、頭に入って来づらいことがありますね。

 そんな時は、発言者の簡単な似顔絵を描いて、意見を吹き出しに書き込んでみます。たったそれだけで、「情報が視覚化され」「冷たい意見がエモーショナルになる」のです。ちょっと眉唾物だと思った方も、ぜひ一度チャレンジしてみてください。驚くほど頭に内容が入ってきますよ!(簡単な似顔絵の描き方も載っているので、絵が描けない人でも大丈夫!)

(4)発見
 メモでアイデアも作れちゃうんです。その名も「あまのじゃくメモ」。

「やるべきことがわからないときや、本当に効果がある答えを見つけたいときに使えるメモ術」だそう。
 普通、アイデアを出そうとすると「真っ当に」考えますよね。「競合に勝つためには」「自社製品をより良くアピールするには」と、普通ならそう考えていくところ、「競合にやられたくないこと」「今までのタブー」から発想していくという、ちょっと意地悪なやり方です。「やってはいけない」ことから考えると、はるかに発想しやすくなるとか。

 一例として「見せブラ」を挙げています。ブラジャーを見せるなんて、女性のタブーでしたが、今では定着していますよね。あまのじゃくメモは「考察」にも使えるかもしれません。

(5)指示
 最後の「指示」。これは自分だけのメモではなく、相手に「伝わる」メモを紹介しています。例えばスピーチをする際のメモ。細かく内容を書き込んでしまい、予想外の出来事にしどろもどろしないよう、効果的なスピーチメモの仕方があるんです。

 その名も「書籍タイトルメモ」。書籍タイトルのようにキーワードを織り込み、その流れにそってスピーチをするのです。

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5、東大生だけが知っている「ノームコア」の活用法
6、「ノームコア」は本当に、未来を豊かにするか?

 ……といったような流れにすれば、「ノームコアって何?」という興味を惹きつつ、その内容を順序立てて説明することができます。ちなみに「ノームコア」とは「究極の普通」というファッション用語だそう。

 今回紹介したのはほんの一例なので、更なるメモの神髄に迫りたい方は、ぜひとも本書を手に取ってみてください。

 なんと作家の伊坂幸太郎さんとの対談も収録されています! ベストセラー作家の「メモ」について語ってくれているので、こちらに興味がある方もぜひ!

文=雨野裾