雑談にもルールがある! 「トークのうまい人」と思われたいなら?
公開日:2016/3/16
「私、人見知りだから…」、そんな言い訳が通用するのは学生時代まで。社会人になれば、必然的に初対面の人と話す機会は増えます。上司や先輩から可愛がれる人になれるか、取引相手から信頼してもらえる人になれるか、それは自然なコミュニケーションが図れるかという点にかかっているでしょう。4月から新社会人になるという方や、職場を変えるという方のために、雑談のコツをお伝えしましょう。
今回、ご紹介するのは『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』(渡瀬 謙/大和出版)と『「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる!』(吉田照幸/ SBクリエイティブ)。個人的な感想としては、『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』の方がハードルは低く、コミュニケーションが苦手な方でも実践しやすい方法が多く掲載されています。一方、『「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる!』は、10年間コントを手掛けた吉田照幸氏が執筆しているだけあって、使いこなせれば効果的に相手との距離を縮めることができるでしょう。
雑談が苦手だという方の中には、「ずっと話し続けているなんてできない…」「どうしても沈黙が…」とお悩みの方も多いでしょう。しかし、この悩みには大きな誤解があります。それは――。
自分が話し続ける必要はない!?
『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』では、内向型の人間が自然とコミュニケーションをとるためには、相手に気持ちよく話してもらうことが大切だと繰り返し主張されています。そのために、話の主導権を奪わずに、適度に相槌を打つようにしましょう。加えて、質問をするなら、簡潔な回答で終わってしまう「いつ」「どこ」といったものではなく、具体的な回答が期待できる「なぜ」という質問を心がけてください。
また、この本によれば、雑談は相手との信頼関係を構築するための段階で、信頼関係さえ築けたなら、無理に雑談を続ける必要はありません。このため、雑談が必要な時間は、たった3分とされています。内向型の方でも、わずか3分だけなら雑談を続けることができるのではないでしょうか?
沈黙だって1つのコミュニケーション、沈黙を恐れる必要はない!?
「しゃべらないこと=悪いこと」だという誤った認識を捨てて、沈黙が訪れても、それが「必要な“間”」であるかを見極めるようにしましょう。たとえば、こちらから振った質問について相手が回答を考えているのに、「妙なことを尋ねてすみません」と謝ってしまえば、相手はどう思うでしょうか? もしかしたら、黙ってしまったことを申し訳なく思うかもしれません。これではせっかく会話が成り立とうとしていたのに、気まずい空気が流れてしまいますよね。相手がどうして黙ってしまったのかを考えて、「必要な間」だと判断したなら、じっと待つようにしてください。
何を話せばいいのかわからなくて黙ってしまうという方もいらっしゃるでしょう。では、次に自分のエピソードを話す際のコツをご紹介します。
特に話していいのか迷ってしまう話題として、自慢話や愚痴を挙げることができます。「これを話して、自慢に受け取られないかな…」と不安になったなら、「良かった話は最後を悪く、悪かった話は最後を良くする」(『「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる!』119頁)ように意識してみてください。
たとえば、残業が続いており、あまり眠れない日々を過ごしているという場合に、「忙しい」「忙しい」とこぼしてしまうことがあるかもしれません。とはいえ、忙しい自慢は多くの人が鬱陶しいと感じるので、このまま口に出すことは避けた方がよいでしょう。しかし、そのつらさを気心の知れた仲間にはわかってほしいと思うこともありますよね。そこで、最後に寝坊しそうになって冷や汗をかいたエピソードなど、「オチ」をつけてみてはいかがでしょうか?(忙しい「自慢」という言葉があるように、ここでは「良かった話」と捉えています)
ちょっとしたことでコミュニケーションの力は改善されるものです。雑談のルールを頭に入れて、新たな人間関係を築いていってください。
文=藤田ひかり